わたしの幸せな結婚(小説版)3巻第5章のネタバレあらすじに感想も

こちらの記事では、わたしの幸せな結婚3巻第5章のネタバレを紹介しております。

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目次

わたしの幸せな結婚3巻第5章のネタバレを紹介!

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第5章:迫るものは

3日目

”芙由と向き合う!”

そう決心した次の日の朝。

美世は仕事に向かう清霞を見送ります。

「決して無理や無茶はしないように。」

出がけに清霞は美世に念押ししました。

「はい!でも大丈夫です!」

美世は真っ直ぐに清霞を見つめてそう言います。

「痛みにもっと敏感になって欲しいものだ。」

清霞は不安そうな顔をしながら「いってくる」と出かけていきました。

清霞の後姿が見えなくなるのを確認すると、美世は気合いを入れます。

そして頬をパンパンと叩くと、力強く歩き出しました。

行先は芙由のところです。

清霞からは、滞在期間は残り2、3日と言われていました。

なので、美世は、その残り少ない時間で芙由との関係を少しでも良いものにしたいと思っていたのです。

しかし、初日そして2日目の芙由の様子を考えれば、残り時間で心を開いてもらうなんて夢のまた夢…。

挨拶すらまともにできたことがないことに焦りを感じていました。

”このままだと後悔するわ。しっかりしなくちゃ。”

斎森家とは違い、この久堂家別邸には思いやりや優しさがちゃんと存在しているのです。

それは使用人を見れば美世でもすぐにわかるほどに。

”きっとうまくいくわ。”

そう自分に言い聞かせると、美世は芙由の部屋をノックするのでした。

自己満足

「おはようございます。美世です。」

美世がそう言うと、中から入るようにとの返事がありました。

「失礼いたします。」

美世はそっと入室します。

すると目の前にはべッドの上にいる芙由がいました。

その顔色の悪さ表情の暗さに驚く美世。

「何をしに来たのかしら。」

すっかりと力を失った眼を向けると、芙由は美世に尋ねました。

美世が何も答えられないでいると、芙由がぽつりと呟きます。

「笑いたければ…笑いなさいな。」

芙由が何を考えてそう言ったのか、全く分からない美世。

理解しようとしますが、一向に分からず途方に暮れてしまいます。

「あの…わたし…笑えません。おかしいことが何もないのですから。」

すると芙由は再び口を開きました。

「こんな姿を見て、さぞ気分が良いでしょうね。」

そこでようやく美世は気が付きました。

芙由は何か勘違いしているのです。

でも、美世には何をどう勘違いしているかも分からず、その誤解を解く方法さえもわかりません。

勇気を振り絞って美世は芙由のベッドに近づきました。

「あの、お加減が悪いのでしょうか?朝食は摂られましたでしょうか?」

芙由は素っ気なく答えます。

「あなたの顔がちらついて憎たらしくて、だから気分が悪いのよ。」

美世はさらに芙由に問います。

「わたしのことがお嫌いでしょうか?」

すると芙由ははっきりと言い放ちます。

「世界で一番嫌いよ。」

世界で一番…その答えに美世は気が遠くなりました。

「どうしたら嫌いでなくなるのでしょうか?」

落ち込んだ様子の美世。

芙由はふんと鼻を鳴らしてそっぽを向きます。

「改善の余地などないわ。あなたのせいで旦那さまにも叱られたわ。もし嫌われたら…。」

芙由は手をふって美世を追い払う仕草を見せました。

「目障りだから出てって。ぐずぐずしないで出ていきない。」

せっかく芙由と話ができるこの機会…このままふいにはできないと思う美世。

なんとかこの部屋に残る方法を考えます。

話術も機転もない美世。

結果、行動で示すしかないと思い至りました。

「お義母さま…朝食がまだなのですね。わたし、とってきます!」

”言われた通りに出て行けるし、また戻って来れる…。”

これしかないと思った美世。

我ながら名案だと自画自賛しましたが、芙由の反応は全く良くありませんでした。

「いい加減にしなさい!目上の者の言うことも聞けないの?お義母さまと呼ぶのもやめて。育ちが悪くて野蛮ね!」

その芙由の言葉は美世にぐさりと突き刺さりました。

芙由と仲良くなりたい…でもそれは嫌がる芙由無理やり付き合わせているだけかもと思う美世。

”わたしの行動は強引で野蛮だった…?”

根幹

美世の心に迷いが生じます。

でもこのまま引き下がってしまえば、もう二度と芙由と話をする機会はないと思う美世。

思えば芙由の行動は全部清霞のため

たとえ清霞が望んだものではなくても、芙由は心から清霞を思っているのです。

なのに話もせずにいがみ合っている清霞たち。

自分が芙由に嫌われているせいで、清霞が芙由と向き合う可能性を潰すのだけは避けたかった美世。

”これ以上わたしのせいで機会を潰すわけにはいかない!”

嫌われるのが怖くて、でも迷っている暇もなくて…引いていいのか押していいのか…想像もつかない美世。

額には冷や汗がじわりと滲みます。

美世は震える指先をぎゅっと握りしめました。

「あの、わたし、もっとお話がしたくて。すこしでも打ち解けられたら。」

気付けば美世の口からは、正直な気持ちがあふれていました。

「は?」

芙由は呆れた様子。

すぐに稚拙なこと言ってしまった…と後悔する美世。

そこで美世はようやく気が付いたのです。

自分のことをもっと知ってもらおうと頑張った美世でしたが、それが間違いだったということに。

わたしの根幹…生まれや育ちが気に入らないのに、わたしのことを知れば知るだけ嫌いになるのは当然だわ。”

そう理解した美世は必死に話を続けました。

「もっと頑張ります。旦那さまに相応しい淑女になるために。努力します。」

芙由は美世のそんな言葉を跳ね返します。

「努力が必ず実を結ぶわけではないわ。過去は決して変えられないの。気持ちだけあっても意味がないわ。」

努力ではどうにもならないもの…その筆頭は異能

持って生まれなければ認められることも成功することも愛されることもない。

それは美世が身を持って体験してきたことでした。

芙由の言葉に言い返す術もない美世。

「あなたが何をしても認めるつもりはないの。生まれた家、親、育ち…全てをやり直して出直してちょうだい。」

芙由の言葉は美世の全てを否定する刃であり、強すぎる拒絶を示す高い壁でした。

痛みと後悔

落ち込みきって芙由の部屋を出た美世。

するとナエが「若奥様」と呼んで追いかけてきます。

”わたしは「若奥様」にはなれないわ…。”

そう思うと美世の眼から涙が一粒零れ落ちていきました。

自分が涙を流したことに美世は驚きます。

これまでもっとひどいことを言われてきたのに、今更なぜかと思う美世。

清霞が言っていた「痛みに敏感に…」という言葉を思い出します。

”わたしは…痛いのかしら?”

「若奥さま…?」

ナエの心配そうな声に、美世ははっと我に返りました。

「あの、ナエさん。仕事をください。お願いします。」

立ち止まっている暇などないと、美世はナエに願い出ます。

美世はせめて自分ができるだけのことはしなければと思うのです。

”痛くなんかない!傷付いてなんかない!”

そう自分に言い聞かせて、ためらうナエを説き伏せて、美世は今日もお仕着せで仕事を始めます。

しかし、傷付いた心からも問題からも目を逸らして、一心に仕事に没頭しても、胸はどんどんと重くなる一方なのでした。

そんな1日を過ごした美世。

夕方、帰宅した清霞に、沈んだ気持ちをすぐに見抜かれてしまいました。

何があったのかと聞く清霞に、今日の出来事を誤魔化しきれない美世。

「怒らないで…聞いてくださいね。」

そう言って、美世は芙由とのやり取りを清霞に正直に話しました。

話を全て聞き終わった清霞は美世に問います。

「私は、どうしたらいいか?」

怒りを帯びることなく、静かに美世を見つめる清霞。

…それは美世がそうして欲しいと願ったから。

そんな優しい清霞に頼ってしまおうかと一瞬考える美世。

芙由との関係は解決せずとも、清霞に守ってもらえば、これ以上傷つくことはなくなります。

でも美世は、そうすれば必ず自分は後悔すると思うのです。

そう思うと、首が勝手に左右に動き、口は答えを述べていました。

「何も…しないでください。まだ、頑張れ、ます。」

そう言ってしまってから「でも」と続ける美世。

「もし、どうしようもなくなったら…。」

すると清霞が口を開きました。

「私が守ってやる。だから後悔しないよう、頑張ってみろ。」

優しく話す清霞。

その言葉に美世は再び勇気が湧くのです。

”旦那さまがいてくれれば大丈夫。もう心をなくすことはないわ。”

だからもう少し頑張ろうと決意する美世でした。

朝食の席

翌日の朝食、驚くことに、芙由が食事の席に姿を現しました。

「お、お義母さま、おはようございます。」

再び芙由と言葉を交わすチャンスがやって来て、緊張しながらも思い切って挨拶をする美世。

「その呼び方、やめなさい。」

芙由は手厳しく返します。

それでも無視されると思っていた美世は、安心して口元が緩んでしまいました。

その後は、しんと沈黙が部屋を包み、食事が準備される音だけが響きます。

そして、本日の朝食…豪華な洋食メニューが並ぶと、皆静かに食事を始めました。

食事を摂りながら、芙由をちらりと盗み見る美世。

の仕草や振る舞いに圧倒されます。

”お手本にしたい方だわ…。それにしても、どうやって話を切り出せばよいかしら。”

芙由のことは、たとえ嫌われていようとも、あきらめられない美世。

なんとか話をしたいと思い、勇気を出して話しかけました。

「あの、お義母さま…。」

美世の呼びかけにぎろりと睨みつける芙由。

「あなた、呼ぶなと何回言わせるの?」

冷たい一言でしたが、緊張している美世にはその言葉は刺さりません…。

「また、お部屋に伺っても良いでしょうか?」

美世はおそるおそる尋ねます。

「嫌。」

バッサリと断る芙由。

それでも美世は負けません。

「教わりたいことが…たくさんあります。お義母さまはすごく立派な淑女で、わたしもそうなりたくて。」

美世は心からそう思っていました。

でも、その言葉は芙由にはおだてて機嫌をとるように感じられたよう。

仲良くなるどころか、さらに怒らせてしまいます。

見かねて正清が助け舟を出してくれましたが、芙由は正清さえもシャットアウト。

”昨日はお義父さまに嫌われたくないとおっしゃっていたような気がしたのに違うのかしら…?”

芙由の怒りを解きたいと思いつつ、美世はふと義父と義母の関係を不思議に思います。

でもそうこうしているうちに、芙由が席を立って自室に帰ろうとしていました。

まだ話が出来ていないのにと思い、焦る美世。

しかしその時…!

食堂の扉が開き、焦った様子の笹木が飛び込んできたのでした。

非常事態

場の空気が一気に緊迫します。

笹木は正清に何かの話を耳打ちしました。

「いったい何事だ?」

いつもとは全く違う笹木の様子から、一大事を察した清霞は、冷静に問います。

すると珍しく真剣な面持ちの正清がその質問に答えました。

「村が大騒ぎで、村人の1人がここに駆け込んできた。」

それを聞いた瞬間、清霞はその村人に話を聞くため、席を立ちます。

もちろん正清もそれに続きました。

食堂から出た清霞たちは、速足で玄関ホールに向かいます。

その間、笹木から現状を確認する清霞と正清。

笹木が言うには、具体的なことは何も聞けていないけれど、助けを求めてきた村人から鬼の存在を主張されているとのこと。

それを聞いた清霞は、すぐに村のあの廃屋に向かわねばと思います。

しかし清霞は、この別邸のこともかなり心配でした。

村から近くに存在している上、家族や使用人、そして何より美世がここにいるのです。

ただ、任務で来ている以上、私情を優先させるわけにはいきません。

「この屋敷が危なくなった時は…。」

正清を見つめる清霞。

正清は清霞に頷いてみせました。

「うん。約束通り。守りは任せなさい。」

正清の異能者としての実力は本物…。

清霞は、何があっても正清が守ってくれると信頼し、信じるのでした。

玄関ホールに着くと、村人が清霞たちの到来を待っていました。

「助けてくれ!軍人さん!鬼が出て…仲間が食われた!」

見覚えのある後姿だと思っていたら、やはり知っている村人…。

その者は村に視察に行った際、”鬼を見た”と騒いで怯えていたあの男だったのです。

清霞は、ひどく怖がっている状態の男を落ち着かせると、話を聞きました。

男の話によると、今日、村の男たちが集まって例の廃屋を壊しに行ったとのこと。

ですが、向かった廃屋には、そのとき大きな鬼が待ち構えていて、男たちは次々に襲われたそうなのです。

しかし、外傷もなく外見にも変化がないので侮っていたら、急に男たちがおかしくなったそう。

訳の分からないことを叫ぶ者、暴れる者、まるで魂を食べられてしまったかのような変貌…。

それに恐れをなして、男は必死に逃げてきたと言うのです。

しかも逃げる途中に、自分も鬼の角に足を突かれたのだと訴えていました。

「よく頑張った。お前はここで少し休むといい。」

清霞がそう声をかけると、その男の動きが突然ぴたりと止まります。

そして白目をむいて頭を抱えると、いきなり唸り声を上げ始めました。

その不気味な様子に清霞は軽く息を吞みます。

しかし、そんな異様な空気が漂う玄関ホールに、金切り声がとどろきました。

「これはいったい、どうなっているの?」

芙由です。

そして背後には美世も付いてきていました。

「ここは危ない。部屋に戻っていなさい。」

正清が警告しましたが、芙由は少しも納得する様子がありません。

生粋の令嬢である芙由は、屋敷の中に農民を入れるなど承知するはずがないのです。

もがき苦しむ村人に対し厳しい視線を向けると、芙由は正清にどういうことかと説明を求めました。

”面倒なことになった…。”

すぐにでも村の様子を確認しなければならないと思う清霞。

しかし、この面倒な状況のまま立ち去って良いのかと少し考えてしまいます。

すると美世が清霞に静かに近づいていきました。

「旦那さま。」

揺るがない瞳で清霞を見つめる美世。

その視線は全てを見通しているかのようです。

「この方の面倒を見ることはお任せください。旦那さまは早く村へ…。」

その美世の言葉に、清霞は一瞬目を伏せました。

”今の美世はこんなにも頼もしい…。日々成長していて、もうわたしの守りなど必要がないくらいだ。”

清霞は、目の前の美世の澄んだ瞳を真っ直ぐに見返します。

「うん。頼む。美世。しかし、危ないことは絶対にするな。戦いは父に任せておけ。」

そう言うと、清霞は美世の額に自分の額をくっつけました。

「!旦那さま?」

驚く美世。

”必ず速やかに帰って来る。この温もりを忘れないうちに!”

清霞は身を翻すと村への道を急ぐのでした。

婚約者と女主人

扉が閉まると、美世はすぐに村人の男性の元に駆け寄ります。

もうすでにほとんど意識がない男性は、ぐったりと力なく横たわっていました。

少しも躊躇うことなく顔を覗き込む美世。

医者でなくても、このままにしておけばこの男性の命が危ないことはわかりました。

「とりあえず場所を移しましょう。ナエさん、客間にこの方を寝かせられますでしょうか?」

その言葉にナエは力強く頷き、てきぱきと支度を始めます。

次に美世は正清の方を向きました。

「お義父さま。客間を使ってもよろしいでしょうか?」

その言葉に快く首を縦に振る正清。

しかし、納得しない人がいました。

芙由です。

「お待ちなさい!そんな農民を受け入れるなんて許さなくてよ!流行り病だったらどうするの?」

動き始めていた人々が全て手を止め、芙由に注目しました。

確かに芙由の意見は一理あると思う美世。

しかしこんなことで揉めている暇はないとも思うのです。

「おっしゃることはごもっともです。でもここに寝かせているわけにはいきません。」

正面から芙由と対峙する美世。

美世の堂々とした言葉に、芙由は感情をひどく昂らせて叫びました。

「だいだいどうしてあなたが仕切っているの?何の権限もなくてよ!」

これ以上怒らせては…と思う美世でしたが、でもどうしても引くことはできません。

「はい。何も権限はありません。でも旦那さまとの約束です。この場は任せてくださいと。」

美世は、清霞に託されたことはちゃんと全うしたい、それが妻の役目だ、と思うのです。

ここの女主人はあたくしよ!」

叫ぶ芙由。

「わたしだって、旦那さまの婚約者なのです!」

言い返す美世。

美世の強い主張に芙由は息を吞みました。

「旦那さまがお仕事に存分に向き合えるよう支えるのがわたしの役目なんです。」

美世は自分の覚悟を芙由にぶつけました。

「全部わたしがやります。お義母さまはお部屋にいてください!」

美世の言葉に、芙由は目を丸くしました。

「あなた、その男と一緒に隔離されるとでも?女なのよ?殿方と隔離されるなんて許されなくてよ!」

その芙由の言葉に、今度は美世が驚きます。

「心配してくださるのですか?」

勘違いかと思いながらそう尋ねる美世。

すると顔を赤くした芙由が否定しました。

「そ、そんなわけ、なくてよ。婚約者以外の男性と一緒にいるふしだらな女は論外だと思っただけですわ!」

意思

結局芙由は、男性を客間へ寝かせることをしぶしぶ認めました。

しかし、そこに寝かされた男性の呼吸は浅く、心音がどんどん小さくなっていきます。

その様子に、”このままでは危ない”と正清が判断しました。

美世はその男性の汗を拭うこと以外できません。

しかし、正清はそれだけでもいいと言います。

原因が分からないので対処の仕様がない…なので、汗を拭う、様子を見ている、そのこと以外できないのです。

原因は今、清霞が探っているところでしょうが、それがどれくらいかかるか分かりません。

”このままでは命が…。”

そう不安になる美世。

実は美世は、先ほどからある考えが湧きあがっていました。

意識のない男性を救う方法…それは彼の中に潜って内側から働きかければいいのではないかということです。

”わたしの異能を使えば…。でも、わたしは今はまだ使い方を学んでいる途中だわ。”

急に目覚めた異能、美世はまだまだ異能を使いこなすには未熟すぎる段階だったのです。

さらに人の心に干渉する薄刃の異能はとても危険で、一歩間違えれば美世も目覚められなくなる可能性があったのでした。

もちろん新からは、絶対に自分ひとりの判断で故意に異能を使ってはならないと強く言われている美世。

”だめよね。失敗したときの不利益が大きすぎるもの。”

一瞬過った考えを打ち消す美世。

すると隣にいる正清がハッと厳しい表情になりました。

「何か、来たね…。」

ひとり呟く正清。

「誰か来たみたいだから、出迎えに行ってくるよ。」

そう言って美世に微笑むと正清は部屋から出ていきました。

「旦那さま…?一体どこへ?」

部屋の前には芙由がいたらしく、正清に声をかけるのが美世にも聞こえてきます。

「気になるなら部屋に入ったら?ちょっと行ってくるよ。」

正清は芙由にそんな言葉をかけて去って行ったよう。

「あなた看病なんて本当にしているの?」

芙由は正清の勧め通り、本当に部屋に入ってきました。

「そこまでして清霞さんの気を引きたいのかしら?」

入って来るなり、美世にそう問う芙由。

その質問に対し、美世は静かに迷いなく答えました。

「役に立ちたいのです。旦那さまの隣に並べるように。できることがあるならやりたいのです。命もかけられます。」

そう言うと、隣の苦しそうな男性を見つめます。

”もう猶予はない…。”

芙由に自分の意思を伝えながら、”自分にできること”をひたすら考える美世…。

「お義母さま。私がこの方を救います。異能を使います。

ついに美世の心は決まりました。

突然の美世の発言に驚く芙由。

美世が異能者だと知らない芙由は、不理解という顔で美世を睨みます。

「わたしはこれでも薄刃の人間です。この方の意識に入り込めば意識を取り戻させられるかもしれません。」

美世の言葉に、芙由はますます何とも言えない表情になっていきました。

美世は言葉を続けます。

気持ちだけではどうにもならないとお義母さまはおっしゃいました。ですから、行動で示させてください。」

美世には、これが正真正銘命がけの行為だということが分かっていました。

それでも男性のため、清霞のため、そして自分のために行動を起こしたかったのです。

命がけ…ということに気が付いたのか、芙由の眉間にしわが寄ります。

「あたくしは、あなたに危険な賭けをしろと言ったわけではないのよ。」

芙由のその物言いに、らしさを感じてつい口元が緩んでしまう美世。

もちろん、美世だって、芙由が命をかけて覚悟を見せろと言ったわけではないことは分かっていました。

これは美世自身の意思…苦しむ男性を救うことを選んだのです。

勝手

異能を使うと決めた美世。

美世はすぐさまベッドに向き直ると、男性の手首を軽く掴みました。

そして目を閉じます。

”怖い…。もうこの目が開くことがないかもしれない…。”

その気持ちを必死に押し込めると、美世は平常心を心がけました。

新がそう教えてくれたのです。

「久堂少佐を救えたのははっきり言って奇跡。だから己の力を過信せず、ひとりの判断では絶対に使わないでください。」

そう忠告する新の声が思い出されて、美世の脳裏に響きました。

”大丈夫。きっと…上手くいくわ。”

意識して呼吸を深くする美世。

それから異能を発動させます。

すぐに美世は真っ暗闇の中に入りました。

それから…意識の境界線が見えてきます。

しかしその時でした。

”え?”

美世が前に進もうとしても、一向に進めないのです。

それどころかゆっくり戻っていくような…。

「美世!だめです!」

聞きなれたその声に、ハッと五感が研ぎ澄まされた美世。

身体は重く、冷や汗がブワッと吹き出ます。

美世の異能の行使は、そこで中断されました。

閉じた目をおそるおそる開ける美世。

すると目の前には、の顔がありました。

「何をしているのです。どうして約束をやぶったのですか!」

新の顔は怒りで歪んでいます。

「新さん?どうしてここに?」

突然のことに驚いた美世は、そう新に問いました。

「そんなことはどうでもよろしい。僕は怒っています。あれほど勝手に異能を使うなと言ったのに!」

ふと身体を起こすと強烈な眩暈が美世を襲います。

なぜ新がいるのか、全く状況が掴めない美世。

もちろんそれは芙由も、そしてナエたち使用人も同じく、皆混乱しきった表情です。

「まったく…堯人さまはこのために俺に指令を出したのか?とにかく間に合って良かった。」

ため息をつく新。

その姿は相当慌ててやって来たように見えました。

「あなた?勝手に上がり込んで…どこのどなたなの?」

芙由が新を射殺でもしそうな勢いで睨みつけます。

しかし新はひるむことなく、いつもの人好きのする笑顔で堂々と返事をしました。

「初めまして。薄刃新です。従妹の美世がお世話になっています。堯人さまに遣わされてやって来ました。」

新の”薄刃”という言葉に顔色が悪くなる芙由。

本来”薄刃”畏怖の対象の家。

同じ薄刃のワードを出した美世にはそう思わなくても、見るからに只物ではない新には動揺を隠せない様子でした。

「勝手に侵入して申し訳ありませんでした。」

すんなりと謝罪され、呆気にとられ、ええ、と返す芙由。

「そうですか!良かった!許していただけて!」

新はにっこりと笑います。

さすが交渉人…あの芙由を一瞬で丸め込んでしまいました。

そのやり取りを感心したように見つめる美世に、新はぐるりと矛先を変えます。

「美世。言い訳は?でもお説教は後です。今はここをなんとかしなければ。美世はこの人を救いたいのですね。」

新の問いに、美世は「はい」と返事をしました。

「俺も付き合いましょう。美世、異能を使う用意を。」

美世は、まさか新が許してくれるとは思っていなかったので驚きましたが、力強く頷きます。

しかし、そんな美世と新の姿に、まだ続けるのかと芙由は問うのでした。

「何も持たないわたしに旦那さまは心を下さいました。だからもう諦めたくないのです。」

美世は自分の強い思いを芙由にぶつけました。

「あなた…。とてもひどい顔をしているのよ。」

確かに慣れない異能を使って、美世の身体は酷い眩暈と頭痛、吐き気があり立つのもやっとの状態。

きっと芙由はそんな美世に不安を感じたのでしょう。

「わかって…います!」

無理矢理の笑顔で美世がそう言うと、芙由はそれ以上何も言いませんでした。

新が美世に今の現状を問います。

しかし、美世はほんの少しの情報しか持っていませんでした。

そのためイマイチ要領を得ないという新でしたが、何かに気が付いた様。

「鬼に魂を奪われたというより、これはむしろ…。

現る異能者

美世が男性を救おうと必死になっている時、清霞は村の廃屋に急いで向かっていました。

通りぬけた村の中は混乱の渦…。

”鬼に食われたというより憑かれた、のだな。しかし完全に憑依されたわけではない。これはまずい…。”

おそらく鬼の一部を人間に埋め込み、不完全で小規模な憑依状態を作り出したと考える清霞。

”それを「異能心教」とやらが行ったのだ。何の意図で?”

清霞が考えを巡らせながら、廃屋まであと少しというところまで来ると、突然黒いマントの人物が立ちふさがりました。

「それ以上近づかないでもらおう。」

しかし清霞が驚くことはありません。

おそらく目の前の人物が今回の統率者と思う清霞。

「お前が異能心教を率いているのか。お前は本物の異能者だな。」

そう問いました。

異能者の雰囲気を纏い、体格からして男性であるその黒いマントの人物。

「さすが、良くお分かりだな。久堂清霞。出来れば穏便にお引き取り願いたい。」

すでに清霞のことは調べがついているという様子のその男。

すっと片手を前にかざすと、突然地面がぬかるみを帯び始めます。

「断る!」

清霞がそう叫ぶと、黒いマントの男は残念だと呟き、異能を用いてぬかるんだ地面を沼のように変じました。

しかし異能の力は清霞の方がはるかに上

一瞬でその地面を念動力で制します。

「異能者であれば我が家に手を出すことがどういうことかわかっているはずだ。」

異能者の頂点の久堂家。

その当主を脅かすことのできる者は誰もいないのです。

ただ、唯一可能性があるのが薄刃の異能者のみ。

なのでここで抵抗しようとも、黒いマントの男は清霞には勝てない…。

「もちろん承知している。しかしこれが祖師のご意向なのだ。

”祖師?開祖のことか。この男は何者かの指示で動く教団の一員なのだな。”

清霞がそう考えていると黒いマントの男は話を続けました。

「異能は素晴らしい力というのに、科学の陰に隠されようとしている。少佐殿も現状を憂えているのでは?」

そう考える異能者が現れてもおかしくない…そう思っていた清霞。

「望むものすべてが異能者になれる平等な世界を我が祖師、甘水直(うすい・なおし)さまは作ろうとなさっているのだ。」

「その偉大な考えを受け入れよ。」

しかし、清霞は黒いマントの男の話に賛同することは決してありません。

”甘水…直?”

清霞は聞いたことのないその名前をインプットします。

そして目の前の黒いマントの男の会話を強制的に終了させ、逆に男に問いかけました。

「帝国に仇をなす。これは大罪だ。覚悟はいいか。」

それを聞いて、黒いマントの男は軽く手を上げます。

「やはり相容れないか。ここは退くことにしよう。」

突然地鳴りのような音が響きだし、マントを羽織った大柄な…”鬼”が清霞に迫ってきます。

”鬼?いや違う。鬼の本体を憑依させられているただの人間だ。”

この鬼らしき人間が目撃された”鬼”で、村の男たちが憑依させられている鬼の一部はこの”鬼”のもの…。

清霞はすぐにその結論に達します。

「我々が研究の末、付き止めたのだ。異形の一部を人間に取り込ませればだれでも異能を持てる!」

黒いマントの男はそう叫ぶと、”鬼”を清霞に襲い掛からせます。

”鬼”の力はすさまじく、先ほどのように簡単にいかない清霞。

しかし、彼はやはり最強の異能者…。

異能の力を上げると、”鬼”を浮き上がらせ、近くの木に叩きつけます。

”鬼”は結局あっという間に動きを止められてしまいました。

清霞が辺りを見回すと、黒いマントの男は逃げた後。

清霞は倒れている”鬼”に魔封じの札を貼り付けると、別邸へと急ぐのでした。

鬼の血

一方の正清。

現在3人のマントの人影と対峙していました。

家の周りに変な気配を感じて出てきたところ、その者たちに遭遇したのです。

清霞に当主の座を譲ってから、戦場が久しい正清は、身体的な不安はありました。

しかし、清霞に頼まれた以上、別邸を守らなければなりません。

「まがい物の異能者たちか…。異能は人の手に余る代物というのに、意のままにしようなどと身の程知らずな。」

正清とそれらの影はじりじりと睨み合います。

先に動き出したのは3人のマントの者たち。

手を上に掲げると、空中に小さな竜巻を起こしました。

「すごい。良くできた芸だ!でもそんなものではどうにもならないよ。」

久しぶりの戦場で高揚した正清の心。

満面の笑みでその竜巻を受け止めました。

そして正清は指先ひとつ動かさないまま、その渦を消し去ってしまいます。

「子ども騙しではいけないよ。出直しておいで。」

正清は異能を発動させました。

その瞬間、電流が地を這い、マントの3人組は倒れて動かなくなってしまいます。

”肩慣らしにもならない。”

少しがっかりする正清。

そのまま、倒れた3人組を調べました。

その者たちは男性1人、女性2人、身体的な共通点もなく年齢もばらばら。

特になんの手がかりもないなと思う正清。

しかし、女性の懐から真っ赤な液体の入った小瓶が発見されたのです。

「鬼の血?ひどいことをするね。」

異能を得たいという欲望のためだけに命を弄ぶなど、気持ちの良いものではないと思う正清。

思わず顔をしかめました。

しかし、血という物的証拠を得られたのは良かったと思い直します。

”異能心教…厄介だな…。”

正清はそう案じますが、考えを巡らせるのを止めました。

「もう僕の出る幕はない。清霞に任せておけばいい。」

第5章の感想:変わる?芙由との関係…。新の登場そして清霞さま&正清パパが異能発動!

長い…そしてまたしても情報が盛りだくさんの第5章…。

書いても書いても終わらない…かと思いました…。

だって70ページもの大作。

1ページ当たり400文字以上だから…恐ろしい量ですよね…(笑)。

美世は大変だし、泣いちゃうし、でも清霞さまが素敵だし、お義母さま相変わらずだし、でもちょっと変わる気配も?

そして、なんか怖い人来ちゃうし、新も来ちゃうし、美世の異能が発動しそうだし、いや勝手に使うとこだった?

で、変な鬼みたいなのが出てくるし、清霞さま戦うし、さらに正清パパまで戦うし、強いしー。

3巻も終盤というのに、新たな登場人物・甘水直がでてきたし!

え、これ第5章だけで納めるの難しくないですか?

それぐらい登場人物や場面の入れ替わりが激しいのです。

でも、さすが素晴らしくまとめてあるんですよね…。

もう作者さまの技量に乾杯です。

いや、美世と清霞さまだけじゃなく、ちょっと今回の展開、ハラハラと???が合わさって面白いです!

もちろん、ラブは見たい!

でも、この緊迫感…恋愛ものとは違うドキドキが新鮮で胸がギュッと掴まれちゃいます。

あー、これ、気になってしょうがない系ですよ!

そして、こんなに面白いお話なのですが…わたしは恐れています。

そ、れ、は、この結末というか変な宗教団体について、”この巻では終わらないのでは?”ということです。

残りページを考えると、そんな急に終わるはずがない…。

恐ろしい‼

…ということで、第5章の段階で、次の4巻購入がすでに視野に入っております(笑)。

本当に、これからどうなるの?

やっぱり美世と清霞さまの関係も気になるし…異能心教も新たな登場人物・甘水直も気になるし…。

さっさと次の第6章に移らせていただきますね!

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