わたしの幸せな結婚(小説・ノベル版)1巻第4章のネタバレ感想に評価も

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目次

わたしの幸せな結婚第4章のネタバレを紹介!

第4章:決意の反抗

予想外

「なんてことだ!」

ここは辰石家。

その当主である実は、ある光景を目にして急に焦りだしました。

見張りの式によって、偶然目にすることができた美世の様子が、以前と全く変わっていたのです。

表情、身なり、雰囲気…どれも驚くほどの変化でした。

ついに実は気付いたのです。

自分の思った通りに事が進んでいないということに。

美世は久堂から放り出されるどころか、大切にされていたということに。

大慌てで香耶を呼び出す実。

香耶を躍らせて、美世を取り戻そうと考えたからでした。

「おじさま、どうしたの?」

何も知らない香耶がやって来ます。

「香耶…。先ほど信じがたいものを見た。美世が…。」

おかしい

実から美世の変化を聞いた香耶は、とても驚きました。

昔からずっと自分より下として扱われてきた姉、美世が自分よりも上に立ちつつあるのです。

「あれと同じになってはいけない。」

そう言って香耶を厳しく躾けた母親。

その影響で、香耶はいつでも自分が「上」、美世が「下」でないといけないと思い込むようになっていました。

そのため、実から聞いた美世の現状は、香耶には絶対に受け入れられないものだったのです。

「嘘…嘘…嘘よ!」

香耶はそう言って自室に戻ってを飛ばしました。

今の美世を自分の眼で確かめようとしたのです。

すでに落ち目の斎森家…それとは比べ物にならないくらいの力を持つ久堂家…。

”それならば、美世でなく、自分こそが久堂家にふさわしい。”

”もし実の話が本当ならば、自分の持つべきものを美世が奪うのはおかしい。”

香耶はそう思いながら街中を見渡して美世を探すのでした。

しばらくすると式が美世を見つけます!

式を通して見える美世の姿に、香耶は心臓が止まりそうになりました。

真っ白な日傘をさし、上等な着物を着て街を歩く貴婦人…。

”あのお姉さまがあんなふうになるわけない…。”

香耶は呆然とします。

そのまま後を付けていると、美世は対異特務小隊の屯所の所に向かい、誰か人を尋ねたようでした。

しばらく様子を伺っていると、中からやって来たのは、香耶が斎森の屋敷であった美しい人です。

久堂でした。

優しく美世に微笑む久堂。

香耶が見ても、二人はまるで仲の良い恋人同士に見えます。

その姿を見た香耶は再び激しく動揺しました。

同時に式もその効力を失ってしまいます。

おかしい。自分の方が美しくて優秀なのに、なぜ。”

香耶は美世の現状がどうしても納得できません。

自分の方が「下」のはずがないと思っているからです。

そして、とある案を思いつくのです。

”久堂の嫁にふさわしいのは私だわ!”

交換

そう思い立つと、香耶は父親・真一の元に向かいました。

自分と美世の婚約者をいまから取り換えるようにお願いするために。

もちろん香耶は、”自分の願いは聞き届けられる”と思い込んでいました。

しかし、真一の答えは予想を裏切ります。

「ダメだ。それはできない。」

香耶は納得できません。

「なぜ?久堂家の嫁にふさわしいのは私だわ。」

そう反論するのですが、真一は苦い表情のまま、聞く耳を持ってはくれませんでした。

不満でいっぱいの香耶。

真一の書斎を出ると、そこには幸次がやって来ていました。

香耶は一瞬迷いますが、幸次に提案をします。

「幸次さん、お姉さまと婚約したくない?」

それを聞いて、理解できない様子の幸次。

「意味が分からない。」

そう言う幸次に香耶は笑顔でお願いしました。

「お姉さまよりも久堂の嫁にふさわしいのは私だから、立場を取り換えたらどうかしら?協力して。」

幸次は諦めた目で、その提案を断ります。

「馬鹿なことを言わないでくれるかな。」

それでも香耶は食い下がります。

「どうして?幸次さんはお姉さまのことが好きでしょう?」

幸次はそういう問題じゃないと香耶をたしなめました。

「家長の許しがないのに、ダメだ。」

それを聞いた香耶。

「幸次さんまで、私のことを邪険にするのね。いいわ!」

そう言って幸次に背を向けました。

そして、実の顔を思い浮かべます。

”辰石のおじさまなら協力してくれるわ!”

香耶はそう考えて、実の元へと向かうのでした。

差し入れ

香耶が美世の元に式を送る少し前…美世はゆり江と久堂の仕事場に向かっていました。

泊まり込みで仕事をしている久堂に、お弁当を差し入れに持っていくところなのです。

「きっと喜ばれますよ。」

ゆり江がそう微笑みました。

「それなら良いのですけど…。」

美世は少しだけ不安そう。

美世の手にはお弁当を包んだ風呂敷と、真っ白な愛らしいレースの日傘。

日傘ももちろん久堂からの贈り物です。

桜色の着物だけでなく、今日着ている空色の着物…その他何枚もの着物と小物類…そして日用品。

美世には驚くほどたくさんの品物がすでに届けられていました。

それにも関わらず、今日は日傘まで。

「旦那さまに相当散財をさせてしまっているのでは…。」

なんだか悪いことをしているような気がして、美世はゆり江にそう尋ねました。

「坊ちゃんはあまりお金を使われませんから、大丈夫ですよ。きっと。」

ゆり江はそう言って美世の心の負担を取り除いてくれます。

そんなやり取りをしながら歩いていると、いつの間にか久堂の仕事場に到着しました。

「こんにちは。」

美世は門の前に立つ警備員に身元と用件を伝えます。

しばらく待つと、中から慌てた様子の久堂が飛び出してきました。

「美世、ゆり江、どうしたのだ?」

何かあったのかと焦った表情の久堂です。

「旦那さま、お疲れ様です。ご迷惑かと思いましたが差し入れを持って参りました。」

美世は意識して笑顔を作り、久堂に風呂敷を渡しました。

それを困ったような表情で受け取る久堂。

「そ、そうか。それは助かる。」

久堂のそんな表情を見て心の中で”くすり”とする美世。

美世には久堂が照れていることが分かっていました。

他の人が見れば不機嫌なのかと勘違いしそうでしたが、もう今の美世には久堂の内心が分かるようになっていたのです。

「歩いてきたのだろう?中で休んでいくか?」

久堂が優しく尋ねます。

美世は大丈夫だと言い、ゆり江も笑顔で胸を叩いて大丈夫だとアピールしました。

「せっかくですけど、お仕事の邪魔をしてはいけませんので帰りますね。」

美世はそう久堂に話します。

久堂は若干残念そうな顔をしながら、そうかと頷きました。

そして、真剣な目で美世に聞きます。

「美世、お守りは持ってきたな?」

美世は手に持った巾着を指し示しました。

「はい。ここに。」

久堂はそれを聞いて安心した表情になります。

「持っているならいい。送っていきたいところだが、すまないが抜けられそうにない。」

美世は久堂にまた笑いかけて言いました。

「大丈夫です。お邪魔して申し訳ありません。お仕事頑張ってください。」

すると久堂は美世に微笑みかけ、”ポンポン”美世の頭に軽く手を置いて中に戻っていきます。

「ふふ。坊ちゃんたら。」

横で見ていたゆり江は、含み笑いをするのでした。

忘れたお守り

そんなやり取りの後、美世とゆり江は再び歩いて家に戻ろうとしました。

「あら?」

美世は巾着の中にお守りがないことに気が付きます。

「きっと巾着を変えた時に、前の巾着に入れたままにしていたのだわ…。必ず持ち歩くと約束したのに…。」

美世はお守りを家に置き忘れてきたことを、急いでゆり江に話しました。

”わたしったら…本当にダメね…。”

あのお守りがないと、守ってくれている久堂の気配がなくなってしまったような気がして不安になる美世。

「まあまあ、大変!それでしたら真っ直ぐ早めに帰りましょう。」

ゆり江はそう言って歩く速度を速めます。

あのお守りにどんな効力があるのか、美世にはわかりませんでしたが、久堂があれだけ気にしていたお守り…。

何か意味があるのだと思う美世は、必死に家に向かって歩くのでした。

市街地を抜け…家までもう少しのところまで来ると、二人はようやく安心します。

…しかしその瞬間…。

大きなエンジン音と共に一台の車がやって来て、近くに停まりました。

そして、その自動車から降りてきた何者かが美世の腕を掴んだのです。

「…ゆ、ゆり江さん!きゃっ。」

予想外の出来事に逃げるすべもない美世。

口と目に布を押し当てられて自動車に押し込められてしまいます。

”怖い…!旦那さま!”

美世はそのまま気を失ってしまいました。

緊急事態

久堂が仕事場で書類を片付けていると、その知らせが入りました。

「隊長…お客様です。」

予定もない来客に眉をしかめて応接室に向かうと、そこには真っ青な顔のゆり江がいます。

「坊ちゃん。美世さまが!美世さまが…!」

ゆり江はかなり慌てた様子で、久堂に縋り付きました。

「どうした?ゆり江。落ち着け。」

普段冷静なゆり江がこんなに取り乱すとは…何か大きなことがあったに違いない…そう推測する久堂。

「落ち着け。ゆっくりでいい…。」

そう言ってゆり江を落ち着かせようとします。

「美世さまが…。」

「美世がどうした?」

「…か、かどわかされて…。」

久堂はそれを聞いて驚きました。

”想定したことではあったけれど、可能性はほとんどなかったのに。それほどまでにあの者が愚かだとは。”

なんとかゆり江を落ち着かせて椅子に座らせた久堂。

ゆり江に詳しい話を聞きます。

「お守りはどうした?持っていたのではなかったのか?」

ゆり江から、実は家に置き忘れてきていたことを聞いた久堂は、感情を抑え込むように息を吐きました。

あのお守りの効果…それは式から姿を見られなくする効果があったのです。

自分の力が及ばないことに対して苛立ちが募る久堂。

実のところ、久堂には美世を攫った犯人が、もう分かっていました。

そして敵地に乗り込んで、久堂一人で制圧することも可能。

しかし、確証もなくそんなことをすれば、敵から足元をすくわれるのは目に見えています。

”何か確証があれば…。”

久堂は歯がゆい思いで必死に美世を助け出す方法を考えていました。

「隊長、またお客様ですよー。」

そんな重苦しい雰囲気の中に、五道の間延びした声が、割って入ります。

「誰だ?」

そう聞く久堂に五道は背後を指し示しました。

「こちらです。」

そこにいたのは予想をだにしない人物…。

彼は強く拳を握りしめて言います。

「あなたにこんなことを頼むのは筋違いなのですが。でもお願いします。僕だけじゃ美世を助けられない…。」

そこには辰石家の次男、そして香耶の婚約者である幸次が、今にも泣きそうに顔をゆがめて立っていたのです。

幸次の力

幸次は美世のことで、久堂に助けを求めてやって来たのです。

幸次は急いで説明を始めました。

香耶の様子がおかしかったこと、香耶と父・実が耳を疑うような相談を始めたこと…。

その内容は美世が首を縦に振れば、久堂との婚約は解消され、香耶が代わりに婚約できるというもの。

そして、美世は実が斎森家まで連れてくるというものでした。

二人の話を聞いて、慌てて止めに入った幸次。

すると実から「美世を手に入れるため」と一蹴されます。

「人様の家に口を出すなと言ったのは父さんじゃないか!」

幸次がそう言うと、実はため息をつきました。

「美世の価値を斎森に悟らせるわけにはいかなかった。いずれ手に入れるために美世が孤立していたほうが良かった。」

実のその話に、幸次は怒りが頂点を通り越し、しばらく呆然としてしまいます。

そしてその後、頭に血が上っていきました。

”許せない!”

そのとき窓ガラスにひびが入りました。

感情を抑えられず、幸次の異能が暴走したのです。

吹き荒れる怒りで、部屋の家具がガタガタと音を立てて揺れました。

「無駄だ。止めておけ。」

実は幸次にそう言うと、香耶を斎森家に帰らせます。

香耶が部屋から出て行くと、揺れていた家具が一気に持ち上がりました。

「これ以上、美世を好きにはさせない!」

幸次がそう叫ぶと、その家具は一気に実の元に迫ります。

「お前にここまでの力があったとは、意外だったな。」

実は冷静にそう言うと、軽く片手を挙げます。

すると、幸次に動かされていた全てのものがぴたりと止まり、その場に落ちていきました。

「なんで…。」

落胆する幸次に、実は言います。

「馬鹿者が。訓練もしていないお前が勝てるはずがないだろう。」

幸次は自分の力のなさを痛感しました。

”偉そうに、美世を守ると言って、何の力もない…。”

悔しさのあまり、涙が出る幸次。

実に拘束されて自室に監禁されてしまいました。

”僕は何もできなかった。父一人止められない…。馬鹿だ。”

”美世を守りたいなら努力をすべきだった。異能者として力を付けるべきだった…。”

そう後悔する幸次。

”ガチャ。”

すると部屋のドアが開きます。

カギが締まっているはずの幸次の部屋が。

「諦めるかい?」

そう言って入って来たのは、幸次の兄でした。

「諦めない。」

幸次が決意を込めてそう言い返すと、幸次の兄は、いとも簡単に実の術を解いて、幸次を自由にします。

”遊び歩いているはずなのに、一体どこでそんな術を身に付けたのか…?”

幸次は疑問に思いますが、今はそんなことを聞いている暇はありません。

幸次は美世を助けるために走り出すのでした。

決死の覚悟

美世を助けるために、幸次が選んだのは、久堂に助けてもらうこと。

急いで久堂の仕事場に押しかけます。

久堂は幸次の求めに応じ、二人はすぐに斎森家に向かったのでした。

道中、久堂の横で落ち着かない様子の幸次。

「焦っても変わらない。もうすぐ斎森家に着く。」

久堂は自動車を運転しながら幸次をそうたしなめます。

感情のこもらない声に幸次は言い返しました。

「冷静なのですね。婚約者がどんな目にあっているかわからないのに…。」

冷静な久堂の横顔を見ながら幸次は思います。

”この男に美世を任せていいのだろうか。心配する様子もない。もしこの男が美世を見捨てたら…。”

”その時は、美世を殺して…自分も死ぬしかない…。”

幸次は久堂の横で、そんな決死の覚悟をしていたのでした。

戦い

囚われた美世が目を覚ますと、そこはかび臭い匂いのする暗くて何も見えない場所でした。

しかし、しばらくすると暗闇に目が慣れたのか、薄暗い屋内がうっすら見えてきます。

縄で両手を縛られて転がされていた美世は、何とか起き上がりました。

”ここは…あの蔵?”

そこは美世が幼い頃に閉じ込められた、あの斎森家の蔵でした。

それに気が付くと、美世の心に香耶や継母への恐怖と、久堂やゆり江への申し訳なさが湧いてきます。

美世は思い立って、扉に思い切り体当たりをしてみました。

もちろん扉はびくともしません。

”今にも香耶や継母がやって来るのではという恐怖”。

それが美世を動かしましたが、扉のほかに出れそうな場所はひとつもありませんでした。

しばらくすると、外から声がして扉が開きます。

やはりやって来たのは香耶でした。

「あら、おねえさま。もうお目覚め?」

美世の身体が強張ります。

「お目覚めにならないからついに心臓が止まってしまわれたのかと思ったわ。」

くすくすと笑いながらそう話す香耶。

「どういう…つもり…で、こんなこ…とを?」

美世は震える声で尋ねます。

「いい気味ね。おねえさまには薄汚れているのがお似合いだわ。」

香耶の言葉に、美世が何も言えずにいると、大きな音と共に頬に衝撃が走りました。

”ばしんっ!”

美世は短い悲鳴を上げて倒れ込みます。

「あなたのせいよ!」

見上げると、そこにいるのは継母の香乃子でした。

「あなたのせいでわたくしの人生はまたおかしくなったわ!本当にいやらしい子ね!」

美世は何か主張しようとしましたが、般若のような形相の香乃子を見て言葉を飲み込んでしまいます。

「本当に忌々しい。久堂家なんて行くから生意気になって!」

香乃子はそう叫んで、起き上がれない美世の身体を踏みつけました。

そのまま何度も踏みつけると、今度は美世の髪を鷲掴みにして頭を引っ張り上げます。

「あなた、久堂さまの婚約者を降りなさい。」

目の前の香乃子の言葉に、美世は凍り付きました。

「そうよ、おねえさま。わたしと代わっててくださる?」

香耶も身を乗り出してそう言います。

「いいこと?あなたのほうから縁談をお断りしなさい。」

冷たく響く香乃子の声。

「安心なさって。そのあとにわたしが久堂さまと婚約するわ。おねえさまには幸次さんを返してあげる。」

甲高い香耶の声。

美世の頭の中に二人の声が響きました。

引っ張られた頭や踏まれた身体はずきずきと痛み、叩かれた頬は熱を帯びています。

これまでずっと自分の意思を持つことを諦めてきた美世。

それが楽だったからです。

今回も諦めればすぐに解放されることは分かっていました。

「…で、す…。」

しかし、美世は答えます。

「あら?なんですって?」

上手く聞き取れなかった香乃子が聞き返しました。

「い、や、です。」

”諦めない”、それが美世の答えでした。

今まで諦めてばかりだった美世。

しかし今回、美世は譲れない想いを抱いたのです。

”あの家を、あの人を、手放せない!”

美世は真っ直ぐに香耶と香乃子を見つめて言います。

「そんなお願いは、できません!」

そんな美世に香乃子は逆上し、再び美世の頬を張り倒しました。

「口答えしないでちょうだい。立場を考えなさい。あなたは出来損ないよ!」

香耶も応戦します。

「おねえさま、どうしてしまったの?斎森のお家も幸次さんも手に入るのよ?」

しかし、美世はもう何を言われても自分の意思を曲げませんでした。

恐怖も怯えにも負けることなく、目の前の二人を睨んで叫びます。

「わたしが、旦那さまの、久堂清霞の婚約者です、絶対に譲れません!」

その叫び声に、香乃子は真っ赤になって再び手を振り上げるのでした。

久堂の力

美世が蔵で必死に戦っている時、久堂と幸次は斎森家に到着していました。

固く閉ざされた門の前に立つ二人。

「どうするんですか?」

幸次が聞くと久堂は手を挙げました。

「問題ない。」

その瞬間、門にが落ちます。

あっという間に崩れ落ちた門…。

幸次の想像をはるかに超えるすさまじい威力の異能でした。

「行くぞ。」

久堂は冷静な顔のまま、屋敷の中に入っていきます。

あっけにとられた幸次は慌てて後をついて行きました。

ちらりと見えた久堂の瞳の奥には激しい怒りがあるように思った幸次。

”この人は…怒って…いる?”

激しい音を立てて崩れた門に、斎森家の人々は慌て出しました。

もちろん、当主の真一も慌てて出てきます。

「久堂殿?一体これは?」

敷地内を歩き回る久堂に真一はそう声をかけました。

「美世はどこだ?」

久堂はそう問います。

その問いに冷や汗をかいて息を飲む真一。

「美世はもう久堂家には戻らぬ。」

真一が何か言いかけようとしたとき、駈けつけた実がそう遮りました。

「私の婚約者はどこにいるのか、と聞いているんだ。」

そう聞く久堂に、実は言います。

「聞いてどうする。美世はもうあなたには会わないと言っている。」

久堂は見る者が震えそうなぐらいの怒りをあらわにして言いました。

「本人の意思は本人に聞く。そこをどけ。」

久堂と実はじっと睨み合います。

「力ずくでも押し通る。」

久堂はそう言うと、ゆっくりと歩いて行きます。

圧倒的強者である久堂。

真一と実が二人がかりで足止めをしようとも、少しも歯が立ちません。

”戦いにすら、ならない…。大人と赤子ほどの実力差!これが久堂家当主…!”

三人のやり取りを見て、幸次はそう思いました。

真一と実をいとも容易く打倒した久堂は、幸次に問いかけます。

「辰石幸次、美世のいそうな場所に心当たりはあるか?」

幸次は慌てて頭の中でいくつかの可能性を考えました。

”使用人の部屋…。美世の部屋…。人を閉じ込める空間…。”

それだけ考えて、幸次はひらめきます。

「裏庭の…蔵?かも。」

久堂はうなずきました。

「そこに案内しろ。…いや、待て、後ろだ!」

久堂が後ろに注意するように幸次に言います。

幸次が振り返るとがすぐそばまで迫っていました。

”なぜ?”

その炎は実の異能の炎でした。

すぐさま久堂が結界を築き、炎は隔てられます。

しかし、その炎は木造の屋敷に火をつけて次々に周囲を飲み込んでいきました。

幸次は愕然とします。

”木造の家で炎を出したらどうなるか…幼子でもわかるというのに。”

また、幸次はなんとも言えない感情も湧きあがってきていました。

”自分の息子が焼け死んでも構わなかったのだな…。”

そう幸次が考えている間に、久堂は実を軽く感電させて気絶させていました。

久堂は蔵への案内を急がせます。

幸次ももちろんそれに従いました。

二人の目的は美世の保護。

二人は美世の元に急ぎます。

蔵に向かいながら、幸次は、もう実を見限ると決めたのでした。

奪還

”ドオーン!”

美世が必死に戦っている最中、蔵に轟音が響きました。

「何?今のは…?」

香耶も香乃子も驚きます。

その瞬間、香乃子の手が美世の髪から離れました。

美世は膝から崩れおち、もう意識も朦朧…。

「お母さま。早くお姉さまに。」

香耶が急かします。

「わかっているわ。さあ、早く言いなさい。久堂家との縁談をお断りすると!」

美世には香乃子の声が遠くに聞こえます。

痛みと痺れでほとんど何も考えられない美世。

「嫌…で…す。」

しかし、それでも拒否を続けていました。

”手放さない!”

そのたったひとつの思いが美世を支えていたのです。

「いい加減になさい!」

怒りが頂点に達した香乃子は、ついに美世の首に手をかけました。

そしてぎゅうと締めます。

「ぜ…ったいに、い、い、ません。」

美世のその言葉にさらに手の力を強める香乃子。

”ないと思っていたわたしの居場所…それはあの人のそばにあったわ。”

”旦那さま。私は決して屈しません。側を離れたくありません。まだ死にたくないです。”

美世はそう強く強く思うのでした。

「美世!」

その時です。美世が一番聞きたかった声が、自分を呼ぶ声が聞こえてきました。

「旦那さま…。」

いきなり登場した久堂に驚いた香乃子の手が、美世から離れます。

久堂は倒れ込む美世にすぐさま駆け寄り身体を抱き起しました。

”本当に来てくださった。自分などのためにここまで…。”

美世は涙目で久堂を見上げます。

”絶対に助けにきてくれると信じていました。”

「もう大丈夫だ。」

久堂は苦しそうな、泣きそうな表情で美世を見つめます。

”ひどい有様を見せてしまったかしら?でもわたしは初めて屈しなかったわ。”

美世はそう思いながら、久堂の腕の中で気を失うのでした。

植え付けられた上下関係

久堂は意識を失った美世を大切に大切に抱き上げます。

美世の身体はとても軽く、そしてひどい傷を負っていました。

「こんなになるまで何をした?」

久堂は静かに問いかけます。

「無抵抗の人間にこんな傷を負わせて何をしようとした。」

顔面蒼白の香乃子は何も答えません。

しかし、香耶は諦めていない様子で反論しました。

「私は悪くありません。私は間違いを正そうとしただけです。」

香耶の言い分が全く理解できない久堂。

「間違い?」

そう聞き返します。

「だって、おねえさまは見鬼の才もないし、頭も良くないし、外見もキレイではないわ。」

「そんな人が私より上にいくなんて、久堂家に受け入れてもらうなんておかしいわ。」

「私が久堂家の当主の嫁になって然るべきだわ!」

香耶はひるむことなく久堂にそう言ってのけました。

香耶は本気でそう思って怒っていたのです。

自分は間違っていない、正しいことをしていると、少しも疑っていません。

おそらく両親にそう歪んだ認識を植え付けられて育ったのだと久堂は思いました。

しかし、だからといって久堂の怒りは全てを許せるほどぬるいものではありません。

「黙れ!これ以上お前の話に付き合うのは時間の無駄だ!」

その迫力にさすがの香耶も言葉を飲み込みました。

が、すぐにわめきだします。

「どうしてわかってくださらないの?ひどいわ!」

もう実の出した火の手がそこまで迫っていました。

香耶に付き合っている時間はありません。

そこに使用人もやって来て、避難を促します。

それまで側で見ているだけだった幸次も動き出します。

「香耶、ここはまずい。香乃子さんも。早く避難しないと!」

久堂も美世を抱えて屋敷から出ようとします。

その服を香耶が掴みました。

「待ってください!久堂さま。どうか!」

久堂は香耶を鬱陶しいと振り払います。

「私がお前のような傲慢な女を選ぶことなど、天地がひっくり返ってもありえん!どけ!

香耶を睨みつけてそう言い放つ久堂。

そのまま急いで外に出るのでした。

変化

「早く避難しよう。」

幸次は香耶に言いました。

「嫌よ。どうして。」

らちが明かない幸次は香耶の腕を取ろうとします。

「触らないで!」

すると香耶は激高しました。

「私は間違ってないわ!」

蔵の外では香乃子も騒いでいます。

「全てはあの娘のせいだ!」

幸次はうんざりして、香耶を強引に引きずっていきました。

「放して!幸次さんはおねえさまが好きなのでしょう?私のことなんて構わないで!」

幸次は頭に血が上っていました。

「うるさい!」

そう叫びます。

「ああ、そうさ。君の言う通り、僕は美世が一番大事だ。でも君なんかでも死んだら美世が悲しむんだ。」

「君たちのせいで、また美世に傷を増やすことになるんだ。」

だから、幸次は自分にできることを、嫌いな人間だって助けるのです。

美世の心を守るために。

温厚だった幸次にまで激しい怒りを向けられた香耶は、ようやく黙ってうつむくのでした。

第4章の感想:強くなった美世!香乃子と香耶がひどすぎて…結果久堂さまに惚れ惚れ!

なんと!

第4章では、とても恐ろしいことが起りましたね!

なんでそこまで酷いことができるのか…全く理解できません!

下手すれば死んでしまいますけど。

美世、助かって本当に良かったです!

そんな第4章は、美世が実に攫われて、香耶と香乃子に酷い目に合わされたけども、結果救われた…というお話でした。

もちろん助けにきたのは久堂さま…。

かっこいいー。

お付の幸次の当て馬感が半端ないですよね。

存在感薄いし、自分でも言ってましたが、何もできないという残念さ。

これから修行して強くなりなさーいと声かけしたくなりました。

美世は本当に酷い目に合いました…。

しかし、それによって、美世の成長と久堂さまの愛?と強さが分かったような。

結果的には良かった(ということにしたい)のかなと思います。

斎森家との確執もこれでなくなり、辰石家ももう手出しはしてこないだろうし。

安心して嫁げますね。

ところで、なぜか急に辰石家の長男が登場してきました!

小説も終盤なので、これから新たな展開はなさそうですけど、次巻に続くのかな?

そういえば、美世の悪夢や薄刃家のことも何も判明してません。

これが残りのページで解決するとは思えません…。

ということは、こちら、次巻以降に持ち越しですね!

個人的に、酷い目に合った子がどんどん幸せになっていくというストーリーが大好物でして。

さらに、異能というファンタジーな世界観と、少し古い時代背景など、全部全部大好きで。

それがこの小説には、ぎゅうっとつめこまれているんです。

丁寧な心理描写で感情移入できますし、進行具合も最高。

…ということで、この小説がか、な、り大好きな私。

まだまだ読みたい!

次巻の存在、嬉しいです。

そんな楽しみを抱きながら、残りの第5章を読もうと思います。

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