鯛代くん。君ってやつは。(ヤマダ作:BL漫画)の2巻感想やネタバレは?

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目次

鯛代くん。君ってやつは。2巻のネタバレを紹介!

これまでのあらすじ

大学の後輩、鯛代に突然告白された蛯原。

その優しさからか、蛯原は男同士だからといって鯛代を突き離せません。

鯛代とは適度な距離を保った”先輩・後輩”としての関係を続けています。

そんな二人が漫研の夏合宿で急接近。

ストレートに気持ちをぶつけてくる鯛代に、少しほだされかけている蛯原でした。

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10話:脈あり脈なし

夢から覚めて

蛯原に殴られて気を失ってしまった鯛代。

そのまま再び寝入ってしまいました。

夢に見たのは蛯原の事。

”俺が先輩の身体を触ってる…。夢だよな…。”

鯛代はぼんやりと目を覚まします。

”ハッ!”

目を覚ました鯛代の顔からは一気に血の気が引いていきました。

酔っ払って現実蛯原を押し倒した挙句、身体を触ってしまったこと。

それをしっかりと覚えていたからです。

”スパンッ!”

鯛代はすごい勢いで寝ている部屋の扉を開けると、目の前にいた伴内に蛯原のことを尋ねます。

「あ、の、先輩は?」

その問いに、伴内が、不思議な顔をしながらも丁寧に答えてくれました。

「なんか風に当たるって出て行ったよ。ついでに買い物も頼んだんだ。」

鯛代は蛯原のことが気になって仕方がありません。

「具合は大丈夫なの?」

そう尋ねる伴内の声も鯛代の耳には届いていませんでした。

負の連鎖

鯛代に身体を触られることを許してしまいそうだった蛯原。

頭を整理するために一人で夜道を歩いていました。

手にはメロンパン。

自分を落ち着かせようと、パンをしきりに口に運びます。

”鯛代くん、起きてこないかな?記憶…飛んでて欲しい…。”

歩きながら考えるのは鯛代のことばかり

少しも頭の整理ができません。

”はあ…。”

どう顔を合わせたらいいか分からずにため息をつくのでした。

すると背後から激しい息遣いと足音が響いてきます。

”ハッハッハッ!ドドドドド!”

その音に振り返ると、なんと野良犬がすごい勢いで蛯原を追いかけてきていました。

「何何何何何?」

あまりの勢いに、ものすごい恐怖を感じる蛯原。

逃げようとして焦って転んでしまいました。

それでもまだ勢いそのままに蛯原を追いかける野良犬…。

蛯原は手に握ったメロンパンがふと目に入ります。

とっさにそれを遠くへ投げると、野良犬はそれを追いかけて一目散!

食べ物を狙っての犯行だったようです。

蛯原は野良犬が去って、ようやく一安心。

「くそー。なんだよ驚かせやがって。イテッ。擦り剥けてるよ。」

足には転んだ時に擦り剥いた傷が出来ています。

そんな蛯原の目にはさびれたバス停が映りました。

「ちょっと休んでいくか…。」

時計も携帯を持たずに出てきてしまったため、時間も分からない蛯原。

さらに急に強い雨が降り出してもう踏んだり蹴ったり…。

自分に起こる負の連鎖にうんざりするのでした。

雨宿り

雨はなかなかやみません。

蛯原は暗闇の中で一人、心細くなっていました。

”これ止むのかな…。”

膝を抱えて下を向き、寝て時間をやり過ごそうとする蛯原。

「先輩?」

そう呼ばれて顔を上にあげると、ずぶ濡れの鯛代がそこに立っていました。

「え?なんでいるの?寝てたんじゃないの?」

驚いた表情でそう尋ねる蛯原。

「い、一刻も早く、謝りたく…て、先輩を追いかけたんですけど。」

それを聞いてさらに驚いた表情の蛯原。

”まさか…まさか…まさか!?”

蛯原は大パニック。

「何?を?謝る…の?」

おそるおそるそう聞きます。

”バッ”

土下座しながら必死に謝る鯛代。

「襲って!すみませんでしたー!」

それを聞いて驚愕の蛯原。

”覚えてたー?”

驚きと戸惑いと絶望が一気に押し寄せます。

しかし、目の前で土下座している鯛代をそのままにはできません。

「ばか、雨の中土下座する奴がいるか!こっちにこいよ!」

鯛代は土下座をやめませんでした。

「本当にごめんなさい。俺、先輩の嫌がることはしないって決めてたのに…。」

必死の鯛代に、蛯原はあれは酔ってたんだから仕方ないと伝えようとします。

しかし、鯛代から言われた言葉が頭の中を駆け巡りました。

”これも事故にしたら、先輩許しちゃうんですか?”

ハッとする蛯原。

”あぶねー!こういうとこか!”

”そうだ、俺、襲われたんだから流さず許すな!”

そこで蛯原は鯛代に向かって「しね」と拒絶の言葉を投げかけます。

明らかに大ショックを受ける鯛代。

”やっぱり怒ってるんだ…。”

なんとかしないとと思う鯛代でしたが、言葉が1つも出てきません。

”シーン”

結局無言のまま、二人はさびれたバス停で時が過ぎるのを待つのでした。

意識

訪れた静寂と響く雨の音に耐えられなくなった蛯原。

隣でびしょ濡れのまま立ちすくむ鯛代に声をかけます。

「脱げ脱げ。これやるから。」

そして自分の着ていた服を脱いで手渡しました。

「え?」

驚く鯛代。

「酒のあとに風邪で倒れる気か?そして座れよ!」

鯛代は申し訳なさそうに服を受け取ります。

「す、すみません。」

そう言って、おもむろに服を脱ぎだしました。

ちらりと見えた素肌に一瞬ドキッとする蛯原。

”ドキッて何だよ!しっかりしろ!俺!”

蛯原は、思いもよらない自分の感情の動きに、己を律しようと必死に言い聞かせます。

そんな蛯原の足に擦り傷が出来ていることに、鯛代は気付きました。

「先輩!足!どうしたんですか?」

蛯原は何でもないと突っぱねましたが鯛代は引きません。

「色々あったんだよ!」

そう言う蛯原に、上半身裸のまま、服を着るのも忘れて心配する鯛代。

「色々って?ちゃんと教えて下さい!」

蛯原はなかなか引かない鯛代を抑えようと強い口調で反発しました。

「うるせーな!ほっとけよ!」

すると鯛代は真っ直ぐに蛯原を見つめてハッキリと言います。

「大事なことです!」

蛯原は鯛代の真剣な目に負けて、先ほどの出来事を恥ずかしそうに伝えました。

「野良犬に…ビビッて、転んだんだよ。」

すると鯛代は心配そうに聞きます。

「野良犬?噛まれてないですか?」

そして、傷口の様子を確認しようと足に手を伸ばしました。

「さ、触んな!」

蛯原は反射的に鯛代の手を振り払ってしまいます。

「あ…。」

思わずしてしまった行為を気まずく感じる蛯原。

すると鯛代が悲しそうな顔をしながら蛯原に言いました。

「俺、先輩に嫌われるのは当然です。でも今はただ先輩のケガが心配で…。」

そう言われて申し訳なく思う蛯原は、必死に言葉を繋ぎます。

「心配してくれてるのは分かってるよ!」

「でも意識するだろ?お前は酔った勢いだろうけど、俺は触られたことに変わりないんだから。」

「…ていうか、とつぜん男に告白された俺の衝撃がお前に分かるのか?」

そして、鯛代の目を見て叫びます。

「俺は告白されてからずっと、お前の事ばかり考えてるんだからな!」

…言ってしまってから”やらかした感”満載の蛯原。

”あれ?”

そんな蛯原に鯛代はおずおずと尋ねます。

「あの…。俺って本当に脈ないんですか?」

蛯原は慌てて答えます。

「ないないないないないない!」

そんな蛯原の肩にそっと手を置く鯛代。

蛯原はビクッと身体を反応させました。

「触るなよ。いつまで裸なんだよ、服着ろよ。」

もう鯛代の目を見ることが出来ず、下を向いて必死に訴えます。

しかし鯛代はその手をそのままに、蛯原に向かって想いを伝えました。

「いつも先輩は思わせぶりで無防備すぎます。」

「俺が一生何の進歩もない関係を良いと思っているなんて、まさか勘違いしてないですよね。」

「あり得ないですよ。隙があるんだったらどうにかしたいと思うのが普通ですよ。」

「好きなんだから。」

そう言う鯛代に、”はい”としか答えられない蛯原。

すると鯛代は蛯原の肩に置いた手を放し、再び擦り傷の様子を確認するのでした。

「その水使っていいですか?傷口を洗いましょう。早めに終わらせますから。」

淡々とそう言う鯛代。

蛯原は鯛代に素直に従うのでした。

治療

蛯原は鯛代に足の傷を水で洗い流してもらいながら、押し倒された時のことを考えていました。

”伴内が入って来なかったら…俺どうしてたんだろう。”

鯛代は壊れ物を扱うように優しく蛯原の足を触ります。

痛くないようにそっと扱う鯛代。

”俺、正直、鯛代くんならちょっとくらい触られてもいい、なんて思ったんだ…。”

そう考えていると、鯛代がじっと蛯原を見つめます。

蛯原は自分の考えが見透かされた気がしてドキリ。

いたたまれなくなり突然キレるように叫びました。

「服!早く着ろよ!なんでまだ裸なんだよ!」

鯛代は急なキレ具合にビックリ。

「いや、やっぱり先輩の服を着るのは緊張しちゃって…。」

”ドキドキドキッ”

自分の考えがバレてないか激しく動揺して、ドキドキが止まらない蛯原。

必死に服を着るように訴えました。

そこでようやく服を着た鯛代。

こちらは好きな人の服にキュン

蛯原とは違うドキドキが止まらない様子です。

「あ、傷口の周りはキレイに洗いました。宿に戻ったら消毒しましょう!」

最後まで傷の心配をする鯛代。

そして、服のお礼を伝えます。

「この服一生大事にさせていただきます!」

それを聞いた蛯原は、恥ずかしそうに大声で叫びました。

「あげねーよーっ!」

お互いにドキドキして顔が真っ赤の二人。

”早く雨がやまないかな…。”

狭いバス停に二人きり。

その空間に耐えられない二人は、早くこの場から逃げ出したくてそう考えるのでした。

10話の感想:なんとなく脈ありな展開になりそうな二人。鯛代くんの強い想いに蛯原は?

ついに2巻突入!

じれったくてたまらない蛯原と鯛代くんのストーリー。

2巻ではどうなるのでしょうか?

とてもわくわくしながら読みましたよ!

そんな私に嬉しい展開が待っていた10話からのスタートです。

1巻最後で酔った鯛代くんに押し倒された蛯原。

そのことで、心情に明確な変化が表れた10話でした。

鯛代くんと距離が縮まる展開を「なし!」と断言していた蛯原。

なのに「ちょっとくらいなら…。」に変わってるんですよ!

これまで全く進展なしだったので、こんなことで鼻息が荒くなるくらい興奮してしまいました。

嬉し~い。

鯛代くんファンとしては、早く幸せになって欲しいですね。

ただ、これはまだ恋愛には程遠く。

ようやく恋愛対象として意識してもらえた、ぐらいに過ぎません。

なので、まだまだ頑張ってもらわないと!

そんな鯛代くん。

10話ではコミュ障の一面を封印して、男らしかったです。

直球で想いをぶつけるところは今までと変わりませんが、行動や目力に強さを感じました。

私なら、最初から最後までキュンキュンなんですがね…ムズカシイ。

鯛代くんの強い想いは叶うのでしょうか…?

まだまだ分かりませんが、確実に1巻の時より可能性が高まっていると思います!

2巻もかなり面白くなりそうですよ。

早速、次のお話を読んできますね!

11話:不思議なライバル

帰還

無事宿に戻って来た二人。

雨が降って来たことと、鯛代がずぶ濡れなこともあり、伴内が心配します。

「大丈夫。俺は平気。」

蛯原は伴内にそう言うと、今度は鯛代に向かってお風呂に入ることを勧めました。

すると鯛代は雨の中、しばらく外にいた蛯原の身体を心配します。

「先輩も身体が冷えているので、お風呂一緒に…。」

”一緒に”という言葉に軽くキレる蛯原。

鯛代は慌ててやましい気持ちはないと弁解するのでした。

「みんなで入ろうよ!」

漫研のメンバーはそう言って楽しそうにしています。

鯛代は蛯原に傷の消毒を持ちかけますが、蛯原は自分でやるからと断ります。

そのまま蛯原はお風呂には行かず、部屋に戻っていくのでした。

お風呂

”バシャー!”

大きなお風呂でお湯をかけられた瀬賀。

「お前最悪だな。」

そう蛯原に冷たく言われて、まだ立ち直っておらずのようになっています。

お湯をかけられたことで、ようやく意識を取り戻すのでした。

”ハッ”

覚醒した瀬賀はすぐにそばに座っている鯛代をにらみ付けます。

視線を感じてビクッと反応する鯛代。

瀬賀は無言のまま鯛代をにらみ続けます。

鯛代はその視線の意味が分からずに不安になるのでした。

大きな浴槽に皆で浸かりながら、話を始める漫研メンバー。

そのうちの一人が、鯛代に、”鯛代家の謎”についてあれこれ尋ねていました。

瀬賀も大したことのない質問を口にしますが、その目はにらんだまま。

”めちゃくちゃにらまれてるな…。”

怯える鯛代。

”やっぱり先輩と二人きりになったことを怒ってるのかな…。”

”それとも倒れて迷惑をかけたのか?”

鯛代は悶々と考えます。

何にせよ、怒らせてしまったことを謝ろうと口を開きかけると…。

「あの…。」

すると瀬賀は急に立ち上がりました。

無言のままシャワーを浴びてそのまま去っていく瀬賀。

意味が分からず、その後姿をぽかんと見つめる鯛代でした。

わんこ

お風呂からあがると、再び漫画の執筆を始める漫研メンバー。

テレビを見ながら気楽な雰囲気で作業を進めます。

「あ、この映画今年公開か!」

伴内が、ある映画の番宣を見てそう言いました。

その映画は蛯原や伴内の通う大学にて撮影されたもの。

二人もエキストラで参加していました。

「あのスーパー女優の深鼓陸と映画に出たんだぜ!すごいよな。」

伴内は思い出して盛り上がりますが、蛯原は特に大きな反応を示しません。

すると伴内が突然話題を変えて、鯛代の事を聞いてきました。

「それより、お前、鯛代くんと何かあったの?」

「え?」

予想外でありながらもタイムリーな質問に、蛯原は動揺を隠せません。

「鯛代くん、すごい勢いで起きると、すぐにお前のことを追いかけて飛び出して行ったから…どうしたのかと思って。」

蛯原は別に…と小さな声でごにょごにょ言います。

「お前はケガしてるしさ。」

伴内は蛯原の動揺には全く気付かず、そう素直な疑問を口にしました。

「転んだだけだよ。」

蛯原はそう言います。

すると伴内は明るい顔をして嬉しそうに鯛代の変化について語り出しました。

「お前と話すようになって、鯛代くん、すごく表情が柔らかくなったよ。」

「漫研に入りたいって言ってきたときは暗い顔をしていたんだよ。人と話すの得意じゃないんだと思ってた。」

そして衝撃の一言を放ちます。

「お前のこと、すげー大好きなんだろうなー。」

それを聞いて驚愕の表情を浮かべながら思わず大声で反応する鯛代。

「はああー?」

蛯原の心臓は驚きと動揺と不安で一気に激しく動き出します。

伴内は蛯原の変化には全く気付きませんでした。

笑顔のままで、あっけらかんと言うのです。

「なついてくれる後輩って、”わんこ”みたいでかわいいよなー。」

”わんこ?”

蛯原は思わず、想像してしまいました。

「先輩!」

そう言いながら必死に走って来る鯛代風わんこ。

その顔は凶悪そのもの。

さっき襲い掛かって来た野良犬の姿と被さります。

「いやあああー!」

叫び出す蛯原…。

「犬は嫌だ!」

そう言うのが精一杯でした。

優しい?

深夜、みんなは気持ちのいい睡眠をとっていました。

初日の作業も無事終了し、ホッとしたのか、ぐっすり眠るメンバーたち。

しかし、一人眠れない夜を過ごしている者がいました。

鯛代です。

やはりアルコールが残っているようで、気持ちが悪くなってしまったのでした。

「鯛代くん。どうしたの?」

そんな鯛代に気が付いて、伴内が話しかけます。

「ちょっとまだ気持ちが悪くて…。外の空気を吸ってきます。」

鯛代はそう返答しました。

そして一人で部屋から出て行きます。

そんな二人の話に敏感に気付いてパチリと目を覚ました瀬賀。

そっと鯛代の後を追うのでした。

その理由は「一言謝る」ため。

”お前、最悪だな。”

瀬賀は、昼間蛯原に言われた言葉が、心に重くのしかかっていたのです。

酒で倒れた鯛代に対する暴言。

それについて、一言謝ろうと、鯛代の向かった方へと歩いていく瀬賀でした。

”どこだ?”

すぐに後を追いかけたのに鯛代の姿は見当たりません。

”ガタッ”

すると縁側から何か音が聞こえます。

音の響いた方へ向かう瀬賀。

するとそこには顔面蒼白で目を見開いた男がしゃがんでいるではありませんか!

”おばけー?”

瀬賀は声にならない悲鳴をあげます。

その男は瀬賀に話しかけました。

「あ、どうしました?」

鯛代です。

「ビビらせやがって!うずくまってんじゃねーよ!」

瀬賀は怒ってそう叫びました。

「すみません。具合が悪かったもので…。」

そう言いながらも今にも吐き出しそうな鯛代。

「吐けよ。酒は吐くのが一番早く楽になるから。」

瀬賀はそう言いましたが、鯛代は上手く吐けずに困っている様子でした。

「指でもツッコめば?」

そう言う瀬賀。

「え?自発的に吐けるものなんですか?」

鯛代は驚いて聞き返しました。

すると瀬賀は鯛代をトイレまで連れて行きます。

そして、吐けるように自分の指を鯛代の口の中に入れようとするのでした。

「え?いやいやいやいやいや!それは大丈夫です!」

鯛代は驚きつつも、全力で拒否します。

しかし瀬賀は強引!

「お前はアルコールの代謝が悪いんだよ!酒が弱いってこと一生忘れんなよ。」

そう言って自分の指を鯛代の口に突っ込みました。

「汚れますよ!」

鯛代がそう言っても、瀬賀は止めません。

「奥まで入れるぞ。力抜けよ。」

さらにぐっと指が押し込まれます。

「あっ!あんまり中で動かさないで!」

急に奥まで押し込まれて動揺する鯛代。

「変な言い回しすんな!」

瀬賀はそう強い口調で言いながらも、鯛代を吐かせようと冷静に対処するのでした。

謝罪

無事に吐くことに成功した鯛代。

身体のアルコールが排出されたのか、スッキリした様子です。

「あとは水飲んでおけよ!」

瀬賀はフンと鼻を鳴らしました。

「あ、ありがとうござい…ます。」

鯛代がお礼を言うと、瀬賀はそれには反応せずに、昼間倒れた鯛代に吐いた暴言?を謝ります。

「昼間!…は、言い過ぎた。悪かった。」

その言葉に不思議そうな顔の鯛代。

「俺。何か言われてました?」

お酒のせいで、気分が悪くなって倒れてしまった鯛代は、瀬賀の言葉を全く聞いていませんでした。

なので、何のことだかわかりません。

「謝りたかっただけだ!悪いか?」

恥ずかしくて、そうブチ切れた様子の瀬賀。

鯛代はその言葉に対して、「いいえ」としか言えませんでした。

その代わりに、昼間倒れたことを謝ります。

「すみません。昼間はご迷惑を…。」

それに対して瀬賀は即座に応えました。

「本当だよ!」

そして瀬賀はプンプンしたまま、鯛代の元から去っていきます。

追求

そんな瀬賀を思い切って引き留める鯛代。

「あの…!」

そう声をかけると瀬賀は振り向かずにぴたりと立ち止まります。

「なんだよ。」

瀬賀からそう言われて一瞬躊躇する鯛代でしたが、勇気を振り絞って蛯原の事を尋ねました。

「ハンサムさん…は先輩の事好きなんですよね?なんでですか?」

すると瀬賀が振り返ります。

そして鯛代をじろりと見つめてこう返しました。

「お前はなんで?」

いきなりそう聞かれた鯛代はその質問に驚きます。

しかし、良く考えてみると、質問に質問で返された状態になっていることに気が付きました。

「ちょっと!質問に質問で返すなって言ったのそっちですよ!」

鯛代は若干キレ気味にそう叫びます。

すると負けてはいない瀬賀。

「それはそれ!これはこれだよ!」

そう強気で攻めてくるのです。

それから二人は言い合いに…。

「あなたのそういう自己中なところ!好きになれません!」

そう鯛代が攻めます。

「お前に好かれても意味ないよ!」

そう攻め返す瀬賀…。

そのまま言い争いしながら廊下を歩く二人。

すると目の前の襖がガラリと開きました。

そこからは世にも恐ろしい表情をしたもじゃもじゃ頭がそっと出てきます。

”!!!”

声にならない悲鳴をあげた二人。

”おばけー!”

するとその頭はぐるりとこちらを向き、何やら話しかけてくるではありませんか!

必死の形相になる鯛代と瀬賀。

…しかし、そのおばけの正体は伴内!

「騒がしいけどどうしたの?」

廊下での鯛代と瀬賀の押し問答の声に目が覚めて、様子を見に来たのでした。

11話の感想:瀬賀くん、素敵です!微妙な三角関係はどうなっていくのでしょうか?

雨に降られてドキドキの雨宿り後、無事に帰宅してからのお話が綴られた11話。

あんなコミュ障だった鯛代くんが、なんだか男らしくなってきたと実感できるお話でした。

そして、なんといっても、ハンサム君

いいですねー。

口調とは裏腹な男前すぎる優しさがあって、一気に大好きになってしまいました。

吐けなくて苦しんでいる恋敵の口に指を突っ込めますか?

私ならできません!

吐かせて楽にしてあげようとするその行動に、私の乙女心がぎゅうううと締め付けられてしまいました!

行動までもハンサム君!

そんな素敵な場面が蛯原の目の前で繰り広げられていたら、ちょっと鯛代くん、不利でしたよね…。

あーもう、どっちも応援したい!

…と勝手に盛り上がっているのですが、実際、蛯原と恋愛関係にある者はまだいないのです。

このお話でも進展なしでしたから。

このまま鯛代くんのペースに飲み込まれてしまうのか、瀬賀が逆転するのか…。

はたまたやっぱり男性との恋愛はなし!

どれになるのかはわかりません。

そろそろじれったい気持ちもしてきました。

が、しかし、ここまでゆっくりペースなのですから、急に大展開が訪れても勿体ない気もしますよね。

ストーリー自体がしっかりしていて、少しも飽きさせないし、絵柄もかわいく面白要素は相変わらず満載!

なのでこのまま見守るのがベストですね。

次のお話も楽しみに読みたいと思います。

12話:お宅訪問・再

心配

原稿合宿が終わってから1週間。

蛯原は暇な時間を持て余していました。

伴内に連絡するも、原稿の追い込みで忙しいと断られてしまいます。

「俺って伴内しか遊び相手いないのかな…。」

今更ながら、自分の交友関係の狭さに気付き、少し気が滅入る蛯原。

しかし、夏休みで鯛代と会わなくて済んでいるのはありがたい気持ちもしていました。

”何となく会いづらいからな。”

そんなことを考えているとお腹も空いたので、近所のスーパーへ買い出しに出かけることにしました。

スーパーで食材を見ていると、ふと鯛代のことが頭に浮かびます。

”そういえば、夏休み自炊してるのかな?”

前回家に行ったときは、カップラーメンにマヨネーズを入れるなど、不健康な食生活を送っていた鯛代。

蛯原はそんな鯛代のことがどんどん心配になってきました。

「ん?」

売り場に並べたられた「野菜炒めセット」がふと目に入った蛯原。

”こういうのが楽でいいんだけど、せめて鯛代くんもこういうものを使ってくれたら…。”

蛯原はそこまで考えて気付きます。

”だ、か、ら…あいつが何食ってようと俺には関係ないんだよ!”

そう自分に言い聞かせる蛯原。

しかしどうしても鯛代が栄養失調で倒れて病院に担ぎ込まれる姿が鮮明に想像されてしまうのです。

仕方なくその「野菜炒めセット」を買い物かごに放り込みました。。

”これは俺が買うだけだ。別に鯛代くんのために買うわけじゃない!”

そう考えているとなんと目の前に鯛代本人が現れたのです!

誘い文句

”いるしー!”

蛯原はびっくりして咄嗟に棚の陰に身を隠しました。

”会いづらいのにな…。”

そう思いつつも、やはり鯛代が何を買うのかが気になって仕方がない蛯原。

そっと鯛代の後をつけました。

鯛代は、肉は買わず、魚も買わず、野菜は素通り…そしていつものカップラーメンのコーナーで立ち止まります。

そしてしばらく考えて、カップラーメンをそっとかごに入れました。

「ふう。」

買うものが決まり、ホッと一安心の鯛代。

「ふうじゃねーよ!」

蛯原はせっかく隠れていたのに、思わず話しかけてしまいました。

「せ、先輩!」

驚いて声が上ずる鯛代。

「お前、結局カップラーメン食ってんのか?」

蛯原がそう聞きます。

「ち、違います。今日はたまたまです。」

鯛代は必死に否定しました。

「まあ、そういう日もあるだろうけど、手を抜くならこういうのにしなよ。」

蛯原はそう言って自分のかごの中から「野菜炒めセット」を鯛代に手渡しました。

「な、なんですか?これ?」

蛯原に会えた嬉しさを隠しながら、鯛代はそう聞きます。

「また不摂生してないか心配で。せめてこういうの食ってほしいと思ってたんだ。」

その蛯原の言葉に頬を染める鯛代。

「先輩、俺の事考えてた?」

その問いに苛立ちながらも、真実を見抜かれたようで焦って答える蛯原。

「お前を放っといて倒れられたら、俺が悪いみたいじゃねーか。」

その話は全く聞こえていない鯛代。

”先輩が俺の身体と食事を心配してくれていた…。”

そう思ってひたすら感動していました。

「ありがとうございます!でも、俺、本当に自炊してるんですよ!」

そう言ってなぜかしばらく考え込む鯛代。

悩んで悩んで…思い切って口を開きました。

「よ、よかっ、良かったら…今から俺の料理の成果をみ、み、見にき…ま…ぜんが?」

鯛代は、一気に何とも言えない恐ろしい表情になります。

そして勇気を出して蛯原を再び自宅に誘うのでした。

「顔!」

蛯原はまず当然の反応を見せます。

鯛代の顔は思わずツッコミを入れずにいられないほど相当な迫力があるからでした。

しかしそんな顔で誘っておきながら、蛯原が答える前に鯛代が結論を出してしまいます。

「やっぱりやめましょう!俺と二人きりにはなりたくないですよね!」

それを聞いてぐるぐると考え込む蛯原。

”確かに二人きりは気まずいけど、鯛代くんの進歩は気になる…。”

”自炊を勧めたのは俺だし、成長を確認したい気持ちがあるな。”

”いやでも、軽率な好奇心で家に行ったら、また無防備ってことになるんだよな。”

”でも前家に行ったときは何もされなかったし。”

”俺、自意識過剰?”

”そもそも上達した料理を食べに行く約束は前からしてるな…。”

そう考え続けて答えはなかなか出せません。

ふと目の前の鯛代を見ると、明らかにしゅんとした切ない表情をしています。

その表情を見てしまうと、蛯原は「自重」する気持ちよりも「世話」したい気持ちが勝ってしまいました。

こうして蛯原は、再び鯛代の家に行くことになったのでした。

びしょ濡れ

一緒に家に行くことになり、鯛代は張り切って食材を買い求めました。

「俺が教えたの、そんなに材料必要だった?」

蛯原が聞くと鯛代は笑顔で答えます。

「他に練習したものも作ってみようと思って。」

そしてキラキラしながら嬉しそうに蛯原に話します。

「先輩に食べてもらうためだけに頑張ってましたから、その機会が訪れて嬉しいです。」

直球なその言葉に蛯原は少し恥ずかしくなりました。

「お前、相変わらずそういうとこはためらいがないな。」

そんな話をしながら鯛代の家へと歩き出した二人。

そこに、急に雨が降ってきました。

「そういえば伴内が雨が降るって言ってたな…。」

そう呟くと、一気に雨が土砂降りに…。

突然の豪雨に苛立つ蛯原。

二人はタクシーで家に向かうことになりました。

「タオルサンキュー。」

びしょ濡れになりながら、ようやく鯛代の家にたどり着いた二人。

とりあえず濡れた身体をタオルで拭いていました。

「先輩、服は脱いだ方が、あと風呂に入った方が良いです。」

濡れた服を脱ぎながらそう話しかける鯛代。

蛯原はそこに下心が含まれているのではと疑いのまなざしを向けました。

その疑いに敏感に気付く鯛代。

「風邪を引くから勧めてるんです!」

必死に弁解します。

「それに雨はすごく汚いから洗い流したほうがいいんですよ!」

その話を聞いてなんとなく納得した様子の蛯原。

蛯原は少し不安はあるものの、鯛代の言う通り、お風呂を借りることにしました。

「それもそうだな。」

「脱いだものはここに入れてください。着替えはあまり使ってない服をお貸しします。」

お風呂場で、鯛代はてきぱきと説明します。

「おう。」

蛯原は少し恥ずかしそうにしていました。

「バスタオルも自由に使って下さい。」

鯛代が説明を続けていると、もじもじしていた蛯原は思い切った様子で鯛代に聞きました。

「下着も、お前の?」

それを聞いて鯛代は真っ赤になります。

「かっ買い置きの新品がありますので、これを!」

焦って大声になる鯛代。

「あーそう!サンキュー!」

蛯原も一緒に真っ赤になっていました。

「じゃ、先に借りるな!」

不思議な雰囲気にいたたまれなくなった蛯原。

逃げるようにお風呂場に駆け込みます。

鯛代は少しほっとして料理の下ごしらえを始めるのでした。

自問自答

鍋に煮干しを入れてだしをとっている鯛代。

「はあ…。」

思わずため息が漏れます。

”先輩がまた家に来てくれた…。”

そう思って嬉しさを噛みしめているのでした。

そして蛯原がお風呂に入っていると思うとドキドキが止まりません。

”何を考えているんだ!俺!先輩は料理を食べに来ているだけ…!”

鯛代は頭を抱えてやましい考えを捨て去ろうとします。

”ザー”

一方、シャワーを浴びる蛯原。

「はあ…。」

こちらもため息をついていました。

結局また鯛代くんちに来ちゃったけど、俺またやらかしてないよな?”

すると鯛代から言われた言葉が頭の中で繰り返されます。

”俺が一生何の進展もないままでいいと思っているなんて…。勘違いしてないですよね?”

蛯原はその言葉に対して、そりゃそうだよね、と思ってはいました。

”でも男同士だぞ?本当に正気かな?”

”って、そんな事言われた相手の家のフロに入ってるって、俺ってアホなのかな?”

頭を洗いながら、そう考え続けます。

お風呂から出ても、自問自答は繰り返されます。

”今日は飯食って帰るだけだし、大丈夫だよな?”

そう思いながら、用意されていた服を着ると、ぶわっと鯛代の香りが蛯原を包みました。

その香りで再び赤面する蛯原。

”うわー。服、めっちゃ鯛代くんのにおいがする…。”

その香りで、鯛代と接近したあれこれを思い出してしまいます。

「うわー!」

そう叫んで、その思い出を必死に頭から追い出そうとする蛯原なのでした。

ざわつく心

雨は全くやむ様子がなく…。

そうこうしていると、鯛代が料理を完成させました。

出された料理の見た目はどれも素晴らしく…。

そして何品も用意されていて、鯛代の上達具合がすぐにわかるものでした。

”末恐ろしい子…。”

蛯原は鯛代の料理を見て、その才能に驚きを隠せません。

「鯛代くん、習得の早い人なんだね!すげーうまそう!俺のよりずっと!」

笑顔でそう褒める蛯原に、自然な笑顔で返す鯛代。

蛯原はその顔を見て、一瞬ぎくりとします。

「本当ですか?先輩の手料理には敵いませんけど!」

褒められて嬉しそうな様子の鯛代。

「そうか!冷めないうちに早く食べよう!」

一瞬の心のざわつきを知られないように、必死にしゃべり出す蛯原。

鯛代はその変化に全く気が付くことなく、素直に食事を始めます。

先日転んでできた蛯原の怪我の話をしたり、他の話をしたりで楽しそうに食事をとる鯛代。

それに対し蛯原はこのざわつきの理由が分からず戸惑っているのでした。

窓の外は大雨

「ごちそうさま!すごくうまかった!」

食事が終わるとすぐ、蛯原は食器の片づけを始めました。

「俺が一人で洗うから!」

そう言って鯛代を寄せ付けないようにします。

微妙な雰囲気に少し戸惑った様子の鯛代です。

しかたなく洗い物任せると、窓の外を眺めて呟きました。

「雨、勢い増してますね…。」

外の様子が心配になってニュースを付けると、台風が関東に接近しているとの情報。

雨は一晩中やみそうにありません。

「タクシーに電話してみますね!」

そう言って鯛代が連絡するも、とても混んでいて今夜いっぱいは手配できないとのこと。

「先輩、今日はもう泊まって行ったらいかがですか?」

鯛代が心配そうにそう言います。

言いながら自分で気付いたのか、返答を待たずに大慌てで弁解を始めました。

「変な意味は全くないです!さすがに歩きでは帰せないという!という!」

必死にそう叫びます。

「いや、あと少しして、雨が弱まったら帰るよ…。」

蛯原はそう答えました。

”ピカッ!”

すると急に雷の音が鳴り響きます。

空には稲光!

そしてテレビからは”危ないので自宅に待機”との警告が流されてきました。

外の状況に蛯原は不安になります。

こんな心の状態で、鯛代の家に泊まるなんてできない…。”

やはり、しばらくやむのを待つことにしました。

しかし2時間経っても雨の勢いはやみません。

もちろん雷も空中に鳴り響いている状態のままでした。

「そんなに心配しなくても、何もしませんから。泊まってください!」

鯛代は蛯原を心配して泊まっていくことを勧めます。

「わかってるよ。」

しかし蛯原が心配しているのはそんなことではありませんでした。

”そこじゃない。俺、今すげー鯛代くんのこと、意識しちゃってることが心配なんだ…。”

寝る場所

結局泊まることになった蛯原。

今度は”どこで寝るか”の問題が発生していました。

「俺が床で寝ます!」

鯛代は大声で叫びます。

「いいよ、お前のベッドなんだから。」

蛯原はそう言って断りました。

「ダメです!神聖な先輩を床で寝かすわけにはいきません!」

鯛代は一歩も引きません。

「何だよ?神聖な俺って?」

蛯原は不思議そうに聞きました。

「おやすみなさい!」

その問いには答えず、そのまま床で寝る体制に入る鯛代。

「おい!俺罪悪感感じちゃうタイプだから、本当に床でいいんだよ!」

蛯原がそう説得しても、鯛代は譲りませんでした。

ああいえばこういう状態が続く中、蛯原は思い切った提案をします。

「じゃあ、このでかいベッドを3等分にしよう!」

キョトンとする鯛代。

「3等分のうちの片側1個にお前は寝る。もう片側1個に俺が寝る。そして残った間の1個は心の距離だよ!」

提案通りに寝ることになった二人。

鯛代は”心の距離”が取られたことになんとなくのショックを受けていました。

「お前、俺が寝てる間になんかしたらマジで殺すから。」

同じベッドの片側にいる蛯原は鯛代に念を押します。

「わかってますよ。」

そう言う逆サイドの鯛代。

「お、おみ…おやすみなさい…。」

緊張のあまり噛んでしまう鯛代。

「おやすみ。」

そう言って鯛代に背を向けて寝る蛯原。

”鯛代くんのにおいがする…。わざわざ距離取ったのに、結局密着してるみたい…。”

蛯原はそう考えながら眠りにつくのでした。

破壊力

深夜…鯛代は身体にのしかかる重みで目を覚まします。

すると、すっかり熟睡した蛯原が、鯛代に抱き着いて寝ていたのです。

”俺が寝ている間になんかしたら…。”

そう念を押していた蛯原。

”そんなこと言ったくせにこんな寝相ってー!”

蛯原の恐ろしさに改めて気付く鯛代。

「せ、先輩!心の距離が雪崩れてます…。」

鯛代はそう言って蛯原を起こそうとしますが、蛯原が起きる気配はありません。

ちらりと見た寝顔がかわいすぎて、鯛代は叫び出したくなる衝動に駆られます。

”警戒心があるのかないのかわからない人だなあ。”

くっついたままぐっすりと眠る蛯原に、鯛代はモヤモヤが募ります。

”俺は何もしないって言ったけど!わかってんのかなこの人!”

我慢

”落ち着かない。鯛代くんに触られているみたいだ。”

夢の中でそう思う蛯原。

そしてそのまま目を開けると、そこには自分に覆い被さっている鯛代の姿がありました。

「あ…。」

蛯原の眼が開いたことに、驚く鯛代。

「てめー!」

蛯原はマンションに雷が落ちたぐらいの大声で鯛代に向かって叫びました。

「そんなに俺に殺されたいのか…。」

ワナワナしながらそう聞く蛯原。

鯛代は慌てて弁解します。

「違います!先輩の寝相が悪くて…。元に戻そうとしてたんです。」

それを聞いて蛯原は赤面。

「寝相直すだけで何でこんな姿勢になるんだよ!」

そしてため息をつきながらこう呟いたのです。

「お前といると身の危険を感じるよ。」

その言葉に鯛代はカチン。

蛯原に対して抱いていたモヤモヤをぶつけました。

「だったら、もっと徹底したらどうですか?」

「手を出すなって言っておきながら結局抱き着いて寝息立ててたのはそっちです!」

鯛代から明らかにされた自分の寝相に恥ずかしくなる蛯原。

鯛代はまだまだ続けます。

「先輩の危機感はすごい中途半端なんです!」

「警戒する割には隙だらけで、そんな先輩から一方的に文句言われるの…。」

そして鯛代は思い切った一言をぼそりと伝えました。

「すげえムカつく…。」

思いもよらない鯛代からの反論に一瞬たじろぐ蛯原。

「な、なんだとテメー!」

しかし、すぐに反応しました。

鯛代も負けません。

「俺がどういう意味で先輩の事好きなのか分かってるでしょ?何回も言わせないでください!」

「俺が手を出さないのは先輩が嫌がることをしたくないからで、我慢してるんです!」

そう言って鯛代は蛯原を押し倒します。

「いいですか?俺は今からだってあなたを襲えるんですよ!」

勢い

必死に訴える鯛代に蛯原はどうしていいか分からなくなりました。

しかし飲み込まれてしまうわけにはいきません。

「わ、悪かったよ。でもお前が言ってることは俺だってちゃんとわかってるよ!」

「偉そうにすんな!俺が本気で拒んだら拒んだでメソメソするくせに!」

必死で抵抗しました。

蛯原から完全に痛いところを突かれた鯛代。

強気モードから一気に転がり落ちていきました。

しかし何とか踏ん張って再反論します。

「先輩が牽制したところで、手を出されないことはないんです!詰めが甘い。いつか自分の首を絞めますよ!」

蛯原は、鯛代の真剣な目に、必死につなぐ言葉に、すっかり押されてしまいました。

「お、お前は今まで男を好きになったことはあるのか?」

おそるおそるそう聞きます。

「先輩だけですよ。」

切ない表情でそう言う鯛代。

「じゃ、じゃあ、お前も大して知らないじゃないか。男同士の恋愛なんて。」

「一過性の気の迷いかもしれないし。冷静になれていない可能性はないのか?」

蛯原がそう聞きました。

「俺の先輩への気持ちを否定しないでください。」

鯛代はきっぱりとそう言い切ります。

「してねえよ。俺はそんな可能性があることもあるって言ってるんだよ。」

そう言いながら、蛯原はそれはまさに自分の事だなと思いました。

”現に俺は鯛代くんの勢いに絆されかけているから…。”

「俺は、お前のことは嫌いじゃないんだ。触られるのも嫌じゃなくて…どこまで許していいか分からなくて。」

「抗っとかないと、全部許してしまいそうなんだよ。」

”あれ…?上手く言えない。日本語って難しい…。”

自分の抱いている思いを必死に伝えようとするも、上手く言葉にできずに途方に暮れた状態の蛯原。

鯛代はそれを聞いてストレートな結論に達しました。

「先輩、もうそれって俺の事好きってことで良くないですか?」

蛯原は即、そうじゃないと言うのですが、鯛代はそれを聞き入れません。

「許容範囲が分からないなら、一緒に探しましょう。その過程で俺の気持ちが一過性じゃないこと、多分分かるでしょ。」

鯛代はそう言って蛯原の顔にゆっくりと顔を近づけていきます。

”キス?俺、また流されてる?”

そう思いながらもギュッと目を瞑って鯛代のキスを受け入れようとする蛯原でした。

お試しキス

蛯原は鯛代のキスを受け入れるつもりでいました。

しかし、待てども唇が触れることはなく…。

おかしいなと蛯原がゆっくりと目を開けると、蛯原に背を向けた鯛代の姿が目に入ります。

”って、しないんかい!”

”これ、前にもあったような…?”

そんな既視感に蛯原は放心状態。

「す、すみません。ちょっとだけ深呼吸をさせてください…。」

そう言って必死に勇気を絞り出す鯛代。

「ふん、根性無しが…。」

せっかくキスを受け入れようとしていた蛯原はつい口からそう出てしまいました。

その言葉に反応した鯛代。

再び蛯原を押し倒して聞きます。

「本当に、本当にしますからね!」

再び急に押し倒された蛯原。

「いちいち聞くな!」

それを聞いて、鯛代は思い切ってゆっくりと蛯原の唇に軽いキスをしました。

そしてギュッと手を握ります。

「先輩のキス顔、ようやく見れました。」

そう囁いて、再びキスをする鯛代。

今度は一度だけでなく何度も何度も。

だんだんとキスの長さも深さも増していきます

「お、おい‼やりすぎ…。」

恥ずかしくてたまらない蛯原は、堪らずに鯛代を押しのけました。

「やりすぎって…俺らいまから確かめるんですよ?」

そう言って蛯原の服の中に手を入れる鯛代。

「あっ…。」

直接肌に触れる優しい指先に思わず声が漏れてしまう蛯原。

”ばちーん!”

「一晩で全部確かめる奴がいるかー!」

しかし、蛯原はそう言って鯛代の頬をはたきました。

そうやってこれ以上の侵食を防ぐのでした。

「ええ?」

あまりの展開に驚く鯛代。

「こういうのは慎重に確かめていくもんだろ!」

頬の痛みに耐えながら、鯛代は涙目で聞きます。

「慎重にってどういうことですか?」

蛯原は必死に叫びます。

「日を置いてちょっとずつだよ!」

その答えに鯛代は頬を染めて聞き返しました。

「じゃ、これからも先輩とこういうことして良いんですか?」

蛯原はもちろんだという顔をしてしっかりと答えます。

「だからそう言ってんだろ…?」

それを言いながら、すごい発言をしてしまったことに気付く蛯原。

”アレ…?”

12話の感想:なんとお泊り!そこで進展した二人の関係。これからお試し期間に突入!

ぎゃー!

思わず声が出ちゃいましたね。

ときめき展開、待ってました!

ほんと、これってもう好きで良くないですかー?by鯛代くん

鯛代くんの”男”感がぶわーっとあふれ出た12話。

じれったすぎる二人の関係がようやくきゅーっと進んできたようなお話でした。

一話に盛り込まれた情報が多すぎて、読むのが大変なくらいの大作ネタバレになったかもしれません。

すみません…。

でも、伝えたいことが多すぎて収まり切れなかったんです!

それぐらい、盛り上がってしまったと12話でした。

ついにお試しであれこれしちゃうという、そんなドキドキの流れが舞い込んできましたよ!

これからが楽しみだなあ…。

ふんわりとした関係の鯛代くんと蛯原も良かったけど、やっぱりBL好きとしては、進展してもらいたいんです!

結構待ちましたので、そろそろ…と思っていました!

嬉しいですね。

流石、作者様!

じれったい気持ちにさせておいて、からのドキドキ展開!

読者の気持ちをわかってますねー。

もちろん、お話だけでなく、やっぱり絵もかわいいので、ぐっと感情移入できてしまうんです。

鯛代くん、やっぱりタイプだなあ。

表情豊かに描写されているので、かわいいところもかっこいいところも面白いところもあって、いいんですよね。

さあ、次の話も俄然楽しみになってまいりました。

ワクワクドキドキが止まらない、こちらのマンガ、さらに張り切って続きを読みたいと思います。

13話:ハプニング

2回目のコミケ参加

…とある休日。

大勢の人が押しかけるあのイベントが始まります。

そう、漫研のメンバーは再びコミケの場に参加していました。

もちろん今回も高額報酬に釣られてカスミちゃんコスプレで売り子をする蛯原もいます。

そして、ハンサム君瀬賀も参加。

「また女装かよー!」

そう叫ぶ蛯原に、”ちんちくりんでお似合いだ”と憎まれ口を叩きながらも”かわいい”と納得する不思議な思考回路の瀬賀。

「さあ蛯原くん。アイメイクするから座って目を瞑って!」

メンバーのマルにそう言われて、言う通りに目を瞑る鯛代。

その姿にむらっとくる瀬賀。

マルを制してそのままキスをしようと顔をそっと近づけていくのでした。

蛯原はなんだか嫌な予感がして目を開けます。

すると目の前には今にもキスをしそうな瀬賀の顔!

「だー!どいつもこいつも!」

蛯原はそう叫んで素手で瀬賀の顔を握り潰しました。

「どいつもこいつもって、またあの陰キャラとこんなことしてんのか?」

痛みに耐えながらそう瀬賀が聞くと蛯原はそれを一蹴。

「うるさい!」

怒る蛯原に攻める瀬賀。

そこにマルが仲裁に入ってくれ事なきを得ました。

「はあ。」

ため息をつきながら、蛯原は鯛代との約束を思いだします。

”許容範囲が分からないなら、一緒に探しましょう。”

そんな取り決めを作った自分に”バカだな”と思います。

”キス以上のこと、これからやっていくって事か?”

しかし、これ以上考えてもどうにもならないと思う蛯原は、そこで考えるのを止めてしまうのでした。

苦手

一方、雑用をこなす鯛代。

ずらりと並んだテレビカメラに驚いていました。

「どうした?鯛代くん!」

伴内が心配そうに聞きます。

「いえ、カメラがたくさんあるので。」

鯛代は不安そうに答えました。

「あれはテレビの取材だよ。コミケの様子はニュースになるからね。」

「ズームされて写ることはないから大丈夫。」

カメラ嫌いの鯛代を気遣ってそう話す伴内。

すると漫研メンバーの一人が呟きました。

「鯛代くんはコスプレ映えするスタイルと顔なのに、カメラ嫌いは勿体ないね。」

鯛代は申し訳なさそうに話します。

「他人の視線が自分に集中するのが苦手で…。」

そんな鯛代に、伴内たちはそれがいいんだと励ますのでした。

「そんなところが大好きなんだ。控えめな美少女キャラって感じだよね!」

「人気投票で1位かっさらうタイプだよ!」

ムダ?

鯛代がそう励まされているとき、蛯原はマルの作ったコスプレの服の素晴らしさを当人のマルと話していました。

「全部手作り!相変わらず器用だなー。」

素直に感動する蛯原。

「今回はこだわりにこだわったんだ!」

そう笑顔で服に込めた気持ちを語るマル。

そして特にこだわったのが、今回瀬賀に着せたマントだと言うのです。

「寝る間を惜しみ、マントに刺繍をするだけで1カ月…。塵も積もれば山となる…この言葉を身に染みて実感したよ。」

そしてさらに瀬賀が着てくれて再現クオリティが上がったと心から瀬賀に感謝の気持ちを伝えるのでした。

それを黙って聞いていた瀬賀。

「お前は将来こういう仕事に就くのか?」

ふとそんな疑問を口にします。

それに対して、これは趣味だからと答えるマル。

すると瀬賀はぽそりと言います。

「ふうん。なんかすげームダだね。」

マルはその一言に一瞬たじろぎます。

しかし、すぐに笑って言うのです。

「まあね。将来何か役に立つということはないんだけどね。」

そう言って設営の準備があるからとその場から去っていきました。

マルがいなくなると蛯原は瀬賀をにらみつけて蹴ります。

「なんだよ、あの言い方?」

蛯原の行為と言葉に”?マーク”の瀬賀。

「俺が何を言ったっていうんだよ?」

素でそう尋ねる瀬賀に蛯原は何か言ってやろうと口を開きかけます。

しかし、そこに邪魔が入りました。

蛯原のコスプレの完成度に酔った人々が若干興奮気味に蛯原を質問攻めにしてきたからです。

「ノーブラですか?」

「乳首は目立ちませんか?」

そんなセクハラ気味の質問まで。

蛯原はぶわっと怒りが沸いてきます。

”さっ”

すると、今にも文句を言おうとする蛯原を制する手がありました。

瀬賀です。

瀬賀は蛯原を守るように中指を立てて前に立ちました。

すると周りの視線は一転、瀬賀に集中します。

瀬賀もそのビジュアルの良さ、コスプレの完成度の高さから、前回のコミケでも大評判。

わらわらと人々が瀬賀の元へと集まりました。

もちろん瀬賀も蛯原の代わりに質問攻めにあいます。

それに噛みつくような態度をとり傲慢に対応する瀬賀でしたが、それとなく蛯原を逃がそうとしてくれていました。

「お前は早く向こうに戻ってろ。」

人々をあしらいながらも蛯原にそう促す瀬賀。

いつも憎まれ口ばかりの瀬賀の行為に、戸惑った表情になる蛯原でした。

置いたマント

自動販売機の前のソファーに腰を下ろして下を向く瀬賀。

集まって来た人々を必死に払いのけ、ようやく一人になれたのでした。

そんな瀬賀は、先ほど蛯原から言われた一言が胸に突き刺さっていました。

”何だよ!あの言い方!”

蛯原から言われた言葉…。

”どれ…?”

瀬賀は必死に考えますが、どの言葉が悪かったのかさっぱりわかりませんでした。

”すげームダだね。って言葉か?でもその言葉は…。”

”そんな特技があるのにもったいないなあって意味で言っただけだしな…。”

考えても結局結論はでません。

”暑いな…。”

そう思って瀬賀はマントを脱ぎました。

マルがこだわって作ったそのマントをじっくり見ると、その刺繍の凄さに圧倒されます。

「すげえな。」

思わず言葉が口からこぼれてしまいました。

「あ!王子発見!」

するとそこに再び人々の群れがやって来ます。

すっかりとアイドルのような存在になった瀬賀は、ファンと思しき人々から散々付きまとわれてしまうのでした。

容認

「うわー!」

鯛代の叫び声があがります。

急な大声に、びっくりして立ち止まる蛯原。

「びっくりした!いたのかよ!」

そう鯛代に言いました。

「ごみを捨てに行く途中で…。でも先輩!その服ちょっと露出が多すぎる…のでは?」

どうやら鯛代は蛯原の衣装に驚いた様子

「暑いからいいんだよ。このぐらいで。」

そううんざり顔の蛯原。

「それ半分手伝ってやるよ。」

そう言って鯛代のごみ捨てを手伝おうとしました。

「こ、これぐらい自分で持てますので!」

焦ってそう言う鯛代でしたが、蛯原は片方の手に持っていた鯛代の荷物を引き受けました。

そんな蛯原を鯛代はじっと見つめます。

「なんだよ?」

その視線に気付いた蛯原はそう問いかけました。

「いや、あんなことしたのに、先輩案外普通に話すんですね…。」

それを言われて驚く蛯原。

「俺にどうしろって?」

そう怒り気味に訴えました。

「いえ、ぎこちなくなるのかなと思っていたので…。」

そうぼそぼそ呟く鯛代。

「でも良かったです。避けられたりするかと思っていました。ありがとうございます。」

鯛代はそう笑って言いました。

「はあ?避けたら確かめるなんてできないだろ?」

蛯原はそう言い捨てて鯛代に背を向けます。

「えっ!」

驚く鯛代。

”先輩…。あのこと…受け入れてるんだ!”

鯛代は思い切って蛯原に尋ねました。

「先輩!俺とのキス。嫌じゃなかったってことですか?」

蛯原はそれを聞いて図星なのか赤面してしまいます。

一瞬考えて、そして振り返って大きめの声で鯛代に叫びます。

「でも、好きって訳じゃねーよ!勘違いすんなよ!」

蛯原が過剰に反応したことにさらに驚く鯛代。

「はい…。」

そう頷くしかできませんでした。


「ハンサムさんは一緒じゃないんですか?」

気まずい雰囲気になったので、急いで話題を変えようと、鯛代は瀬賀の行方を尋ねます。

「あ、先に行ってろって言われたんだけど…。」

すっきりしない蛯原の答えを不思議に思う鯛代。

「何かあったんですか?」

そう聞く鯛代に、蛯原は「別に」とそれ以上は話しませんでした。

励ましと感謝

会場設置をしている伴内たち。

コミケの雰囲気を味わいながら、楽しそうに会話をしていました。

「マルのコスプレ、毎回楽しみなんだよなー。」

そんな伴内のふとした一言に反応するマル。

”ムダ”という言葉が忘れられないマルはみんなに尋ねました。

「僕は将来、服を作る仕事に就こうと思っている訳じゃないんだけど…。」

「それなのにお裁縫の勉強をしてるってやっぱりムダかな?」

突然のマルの質問に、一瞬顔を見合わせる伴内たち。

しかし、すぐに笑顔で答えました。

「マルは衣装を作るのが楽しくて好きって言ってたよね。それを追及することをムダかムダじゃないかなんて…。」

「そんなの秤にかけるものじゃないと思うよ。」

「そうだよ!急にどうした?マルは衣装作りの天才だよ!国の宝!宝がムダなことなんてない!」

それを聞いて安心した様子のマル。

「ありがとう。」

そう心からの気持ちを伝えるのでした。

遺失

無事に会場設営も終わり、あとはお客さんが入って来るのを待つだけ。

ブースには鯛代も蛯原も帰って来ていましたが、瀬賀だけが戻ってきていませんでした。

「遅いな、瀬賀くん。」

伴内も心配そう。

そこにようやく瀬賀が戻って来ます。

しかし、なんだか酷く心配そうな顔をしていました。

”ヤバイ…。”

なんと、瀬賀はマルの最高傑作のマントをなくしてしまっていたのです。

”キモオタから逃げるのに必死になっていたら、マントをソファーに置きっぱなしにしてしまった…。”

”戻ったらどこにもないし。”

”誰かが持って行ってしまったのか?ふざけるなよ。”

”蛯原曰く、俺はマルに酷いこと言ったらしいし、あいつのマントなくしたなんて、言えねえ…。”

瀬賀はどうしたらいいか分からず途方に暮れていました。

すると、瀬賀のおかしな様子に気付いたマルが話しかけました。

「大丈夫?熱中症とか怖いから、具合悪くなったらすぐに言ってね。」

瀬賀はマルを直視できません。

「おー…。」

気のない返事をしてしまいます。

「あれ?マントは?」

マルはふと瀬賀にそう聞きました。

”ビクッ”

痛いところを突かれてびっくりする瀬賀。

「じゃ、邪魔だから置いてきたんだ!」

ついそう口から出てしまいました。

時が止まったようなマル、それを心配そうに見ている蛯原。

そして、酷いことを言ってしまったと気付いた瀬賀。

張り詰めた空気が流れます。

しかし、それを破ったのはマルでした。

「そっか、ごめんね。暑いのに無理矢理着せちゃって…。」

明らかに落ち込んだ様子のマルでしたが、周りを気遣う気持ちが溢れていました。

「開場まで、もうまもなくとなっております…。」

コミケ開始前のアナウンスが会場中に流れます。

それを聞いて、マルはみんなのお使いがあるからとその場を後にしました。

ハラハラしながら見ていた蛯原は、瀬賀にそっと聞きます。

「お前、なくしたんじゃないだろうな?正直に言えよ。みんなで探すから。」

すると瀬賀はきっぱりと断りました。

「これは俺の問題だ。」

瀬賀は自分でなんとかしようとする気です。蛯原はそれを聞いて、呆れ顔になるのでした。

そんな笑顔

今回も大盛況に終わった伴内率いる漫研のブース。

無事に終わったことに安堵して、次のコスプレ撮影会を始めようとしていました。

「あれ?ハンサム君?」

瀬賀は、すたすたと違う方向に向かっていきます。

それを見て蛯原もその後を追いかけました。

「なんだよてめーは?」

瀬賀は追って来た蛯原にそう言います。

「俺はあいつのために探すんだ。お前は関係ない。」

蛯原はそう瀬賀を制しました。

それから二人は必死に探します。

会場の隅々まで探して、あったはずのソファーを探して…しかしマントは見つかりませんでした。

へたり込んでしまう瀬賀。

「あんなに上等なマントあったんだ。だれかに持っていかれたかもしれない…。」

そう言って瀬賀は顔を手で覆います。

なくしてしまった罪悪感と申し訳なさに潰されそうになっていたのです。

それを聞いた蛯原。目の前の自動販売機で水を買って、そっと瀬賀に手渡します。

「今日はマジで暑いな。」

そして、自分の服をめくって笑顔で話しかけました。

「ほら、汗でびしょびしょ。」

蛯原は胸元を大きくめくったので、乳首まで見えてしまいます。

「人が深刻に悩んでるときに乳首見せびらかしてんじゃねーよ!」

瀬賀は怒ってそう叫びました。

「なんだよ!その水返せ!」

「返すよ!」

「返すなー!」

二人は言い合います。

「それ飲んだら、また探すぞ。」

蛯原のその言葉に、瀬賀は何か言い返そうとしましたが、それを飲み込みます。

そして、再び口を開きました。

「俺はこんな性格だから、人から嫌われてるのは知ってる。お前だってそうだろ?ほっとけよ、もう。」

蛯原はその言葉に、自分が思っていることを正直に話しました。

「確かにそう思ってるけど…。」

「思ってるんかい!」

思わずツッコむ瀬賀。

「お前と仲良くなりたい奴はいっぱいいるよ。確かに口が悪くて。」

「勝手で不愛想で威圧的で偉そうでふんぞり返ってて、素直じゃないし、言わなくていいことはズバズバ言うし。」

「女には調子が良くて、いつも睨んでで、話が広がらないし…。」

蛯原の口から次々と出てくる自分の欠点

「もういいだろ!」

瀬賀はややキレ気味。

「でもさ!」

しかし蛯原は続けます。

「お前、俺が体調悪い時、とっさに介抱してくれたし、知らないやつに絡まれた時だって助けてくれる。」

「だから、俺はお前のこと、いい奴だって思ってる。」

そう言ってにっこりほほ笑む蛯原。

「それに、伴内から聞いたけど、お前、この売り子の謝礼はいらないって断ってるんだろ?」

「俺は、お金のためにこの売り子やってるからさ、だからお前ってすげーいい奴なんだと思うよ!」

それを聞いた瀬賀は今まで見たことのない柔らかい照れたような表情になって笑いました。

蛯原はその笑顔に驚きます。

自分がいつもと違う表情をしていることにハッと気付いた瀬賀。

再びいつもの様子に戻りました。

「俺はてめえみたいに金でホイホイ働く人間じゃねーんだよ!」

そう言って蛯原に背を向けてしまいます。

「どこ行くんだ?」

そう問う蛯原に、振り向かないまま瀬賀はずんずん進んで行きます。

「もう1回探すんだよ!」

瀬賀はそう言ったところで一瞬だけ振り返りました。

「あんがとよ…。」

そして蛯原にお礼を伝えます。

そんな瀬賀の態度に嬉しくなった蛯原。

「待てよ。俺も探す!」

そう言って瀬賀を追いかけます。

「お前のそんな笑顔。新鮮だな!」

蛯原は嬉しそうに笑いました。

瀬賀は恥ずかしくてたまりません。

「うるせー。」

そう言ってまた憎まれ口をたたいてしまうのでした。

魅力

蛯原が瀬賀と一生懸命マントを探しているとは知らない鯛代…。

ブースの撤去作業にいそしんでいました。

大方終わったところで、伴内が鯛代に声をかけます。

「どっか行きたいとこあったら行っていいよ。あとは俺がやっておくから。ありがとう。」

鯛代は恐縮そう。

「いえ、お気になさらずに…。」

そう言って断ります。

「じゃあ、なんか食べ物買ってくるよ。俺が鯛代くんにあげたいからさ。」

伴内はそう言って買い物に出ようとしました。

そんな伴内に、鯛代は思い切って蛯原のことを尋ねてみます。

「あ…の。リーダーと先輩って幼馴染ですよね?先輩って学生の頃、男性に想いを寄せられたことありますか?」

突然の不思議な質問に伴内はぽかんとしてしまいました。

その反応を見て、”しまった!”と思う鯛代。

「す、す、すみません!先輩かわいいからどうなのかなって。変な質問忘れてください!」

鯛代が慌てて弁解すると、伴内はズバッと答えました。

「あるぞ。」

”え?ある?”

鯛代は自分で聞いておいて、その答えに衝撃を受けます。

「お前の言う通り、かわいい顔してるから。童顔で華奢だし。で、愛嬌もあるし。」

「ただ、あいつに告白みたいなことした奴はいなかったと思うよ。」

「あいつも想いを寄せる男がいたことは知らないはずだし。」

笑いながらそう答える伴内。

「そうでしたか…。」

鯛代は下を向いてそう言うのでした。

悪かった

「はあ…。」

一方の蛯原と瀬賀。

こちらは会場を3周回っても出てこないマントに肩を落としていました。

途方に暮れた様子の瀬賀は一人にして欲しいと蛯原から離れます。

一人になり、壁に手を当てて、落ち込む気持ちを隠せない瀬賀。

「あれ?ハンサム君?」

そこに偶然マルが通りかかりました。

「あ…。」

真っ直ぐに自分を見つめるマルに瀬賀は何も言えません。

マルを見つめて、そしてどうすればいいか考えて焦ってしまう瀬賀。

しかし決心したように拳を握りしめて、マルに向かって頭を下げました。

「ごめん。」

突然のことに驚くマル。

瀬賀は頭を下げたまま、一言一言丁寧に話します。

「ごめん。本当は、マント、失くしちまった。」

「でも。お前が一生懸命時間をかけて作ったの知ってるから、言えなくて…。」

「でもちゃんと見つけるから!」

そして、もう一つの過ちを謝りました。

「あと、さっき、お前に悪いこと言ったかもしれない。」

「でもお前を貶すつもりは全くなかった。ごめん。」

それを聞いて、マルは少し考えて、そして瀬賀にきちんと伝えました。

「ハンサム君が悪気があって言った訳じゃないのは分かっていたよ。大丈夫だよ。」

そのマルの言葉に瀬賀は少し救われた表情になります。

しかし再び、視線を落として申し訳なさそうに言いました。

「悪気がなかったらいいってもんでもないだろ。絶対見つけるから!」

そう言いつつも、何度も会場を見回った瀬賀は”もう見つからないかもしれない”と不安でいっぱいでした。

すると黙ってそのやり取りを聞いていた漫研メンバーの一人が口を開きました。

「ハンサム君。落とし物窓口には行った?」

お詫びの撮影会

落とし物窓口に行くと、係の人が、マントを持ってやって来ました。

「マントってこれ?」

それはまさにマルの作ったマント!

安堵感から、膝から崩れ落ちる瀬賀。

「親切な人が届けてくれたよ。気を付けてね。」

電話をもらって一緒についてきた蛯原も、落とし物窓口の存在を忘れていたことにびっくり。

「気が回らなくて悪かった。」

そうみんなに謝るのでした。

瀬賀はマント引き取って、マルの元へと持って行きます。

”スッ”

黙ってマントを差し出す瀬賀。

しかし、そんな瀬賀にマルはマイクを渡すのです。

「これ、12話で綾小路が使ったマイクだよ。」

その言葉に瀬賀は不思議そうな顔をしました。

「は?」

「着ないまま返すのは一番マルに悪いんじゃないか?」

そう言って瀬賀の肩に手を置く漫研メンバー(←そろそろ名前が知りたいです!)。

マルも張り切った様子でこう告げます。

「無事にマントが見つかったら、することは1つ!」

それは…。

「コスプレ広場で撮影会だー!」

そっくりさん

そんなこんなでいろいろあったコミケが終わって数日後。

ツイッターに載せた瀬賀のコスプレ写真がかなりバズっていると、みんなは盛り上がっていました。

鯛代だけは、その話を聞いて不安そう。

「せ、先輩の写真も載せたんですか…?」

おそるおそる聞く鯛代に、マルが載せてないよと安心させてくれました。

「鯛代くんも、次は何か着ようよ!」

そんなお誘いの声がかかりますが、鯛代はきっぱりと断ります。

すると話はちょっと変わるけど、とみんなが鯛代の外見について話し出しました。

「俺は鯛代くんって誰かに似てる気がしてならないんだ。」

「2次元キャラ?」

「いや、3次元なんだよなー。」

「あ、思い出した!去年うちの大学でやった映画の撮影で出演していた女の人!」

そう言って盛り上がる漫研メンバーたち。

「けーま!」

するとそこに大きめの声が響き渡りました。

その声に、一気に驚愕の表情になる鯛代。

「けーま!」

またその声が聞こえます。そして同時に足音が近づいてきました。

完全に怯えた状態の鯛代。

「慧真!」

そこには、逃げようとする鯛代の耳元でそう大声を上げる女性がいました。

「ひいいいい!」

鯛代は恐ろしさから思わずおかしな悲鳴を上げてしまいます。

その女性は鯛代の首根っこを掴んで鯛代が逃げないように引っ張りました。

「あんた、あたしのメール、無視してるわよね?そうしてれば逃げられるとでも?」

女性は呟きます。

「ごめんなさい。ごめんなさい。」

そう涙目で必死に謝る鯛代。

「あっ!この人だ!鯛代くんに似ている芸能人!」

その女性はサングラスをとります。

するとそこには鯛代によく似た顔があったのでした。

13話の感想:瀬賀の魅力がてんこもり!これは、瀬賀にいい流れが来てしまった?

こ、れ、は!

ヤバイです!

これは鯛代くん…一気に不利ですよ!

進展が期待された13話は、なんと!瀬賀とのお話だったんです!

しかも、いつもと違った顔を見せて、蛯原の心を揺さぶるという…”鯛代くん&蛯原”カップルを願う人には恐ろしい展開。

瀬賀の「G」「A」「P」…つまり「ギャップ」満載の13話でした!

恐怖!

こんな姿見ちゃったら、王道ストーリーとしてはヒロインの心がそっちに傾きますよね!

ちょ、ちょっとこれは流れが分からなくなってきましたよ。

13話では鯛代くんがそんなに登場していない分、瀬賀にもっていかれそうな蛯原でしたね。

そして、まんまとわたくしもその揺さぶりに心を動かされてしまいました。

鯛代くんも瀬賀も、どっちもいい!

これが本音です。

…というか、13話では完全に瀬賀の勝利…。

浮気者ですみません。

それぐらい、あのはみかみ笑顔にはノックアウトです。

よく考えたら、蛯原の”援護”があっての瀬賀の”際立ち”なんですけどね。

普段性格が悪そうな感じだと、ちょっとした優しさだけでもキュン…とくるんですよ。

また、マルに謝るシーンの男らしさと言ったら…言葉になりません!

そこでもぐぐっと瀬賀熱が上がってしまいました…。

本当に上手いストーリーです。

笑顔の描き方も流石としか言えません。

…と、完全に持論の展開だけで感想コーナーを埋め尽くしてしまいましたね。

長々と申し訳ありません!

しかし、それぐらいどっちか分からなくなってきた13話でした。

最後に出てきた美人さんのこともあり(おそらく鯛代姉ですよねー。)。

こんなに分からない展開だしで、続きが気になってしょうがない!

なのに、なんとなんと13話にて、2巻が終わってしまいました…!

まさかの大ショック!

早く続きが読みたいですー!

待ち遠しい想いをしながら3巻を待とうと思います。

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